出版社内容情報
『星の王子さま』『不思議の国のアリス』を彷彿とさせる、童話風のメッセージやナンセンス、文学的引用をちりばめた書き下ろし小説。
継母にいじめられ、故郷を追われたアリスがたどり着いたのは、四畳半風呂なしの小さな小さな星でした――
『星の王子さま』や『不思議の国のアリス』を彷彿とさせる、童話風のメッセージやナンセンス、詩的文学的引用をちりばめた、嶽本野ばら書き下ろし新作小説。装丁:ミルキィ・イソベ 装画:今井キラ
【著者紹介】
京都府宇治市生まれ。1998年に初のエッセイ集『それいぬ――正しい乙女になるために』でデビュー。2000年に初の小説集『ミシン』を刊行して以降、少女文化やストリートカルチャーを原点にした独特の世界観で支持を集める。主著に三島由紀夫賞候補作となった『エミリー』『ロリヰタ。』の他、『鱗姫』『下妻物語』『カフェー小品集』などがある。
内容説明
継母にいじめられ、故郷を追われたアリスがたどり着いたのは、四畳半風呂なしの小さな小さな星でした。野ばら版『星の王子さま』。
著者等紹介
嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府宇治市生まれ。1998年に初のエッセイ集『それいぬ 正しい乙女になるために』でデビュー。2000年に初の小説集『ミシン』を刊行して以降、少女文化やストリートカルチャーを原点にした独特の世界観で支持を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misa*
62
野ばらさん初作品。装丁はとっても綺麗で可愛らしいが、中身は大人の絵本のようなファンタジーさの中に、理屈っぽい数々があって、あんまり得意な本ではなかったなって印象。期待してたから、ちょっと残念。2016/10/13
ゆかーん
45
「大人の童話」という言葉が当てはまりそうな物語でした。可愛い表紙とキャラクターにも関わらず、話していることはディープで毒舌。「幸せについて」や「人が人を好きになること」など哲学的な話が飛び交っていたと思いきや、「共産主義」と「資本主義」などの「人間の生き方について」まで幅広い考え方が提示されていました。「星の王子さま」の世界と「不思議の国のアリス」の不思議な世界が絡み合い、新たな世界が完成されているようでした。最後に「大切なものは目にはみえない」という言葉で締めくくられているのが面白いですね(笑)2015/02/26
そうたそ
35
★★☆☆☆ 野ばらさんのことだから、童話チックな少女小説に仕立てあげているのだろうと思っていたのだが、思っていたのとは全く違う内容でがっかり。タイトルが示す通り、「星の王子さま」と「不思議の国のアリス」が下地にあるのだろうが、内容までそうなっているわけではなく、共産主義の話がぐだぐだと繰り広げられるという感じ。この手の内容の本って、何か村上龍さんも書いていたような気がする。野ばらさんには昔のような少女小説を書いていて欲しいだけにこの作品にはがっかり。表紙の今井キラさんのイラストは本当に素敵だったけど。2014/08/27
aya
22
表紙が素敵で読み始めましたが中身のギャップにやられた(笑)共産主義については個人的にざっくりとしか理解していなかったけどこの本を読んで、成る程と思わされました。資本主義で生きてきた私達には難しいことかもしれないけど、損得だとか自分は他人より優れてるだとかそんな事を考える世界より、困っている人がいたら自然と手を差しのべられる優しい世界がくればいいなと思う。2016/05/28
二藍
16
初の嶽本野ばら作品。タイトルと今井キラさんの描かれた表紙イラストのかわいらしさに惹かれて手に取った。内容はタイトルからも分かるように、「星の王子さま」や「不思議の国のアリス」、そのほかさまざまな物語のつぎはぎでできている。オマージュ作品だからか、初読みの作家さんだからか、ぴんと来ない部分はあったものの、楽しめた。人間の思想、恋愛、損得、などなどの小難しげな話が繰り広げられ、なんだか二回目を読んでみたくなるのは元の本と同じかんじ。男の子になっているらしい薔薇の花が好きだなあ。2014/08/19