人間に魂はあるか?―本山博の学問と実践

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  • サイズ B6判/ページ数 399p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336057372
  • NDC分類 160.4
  • Cコード C0014

出版社内容情報

スピリチュアリティの巨人・本山博を多角的に検証し、スピリチュアリティと宗教のあり方やありうべき研究の展望を、根本的に追求。

領域横断的な科学者にして宗教者である稀代の見者、本山博の仕事を通して、スピリチュアリティと宗教のあり方やありうべき研究のパースペクティブについて、根本的・本質的に考究する。
 本山は、比較宗教学、宗教哲学、電気生理学、超心理学などの多領域を越境・統合する諸研究によって、世界と人間の宗教的/スピリチュアルな存在構造とその動態を解明しようとしてきた世界的な碩学である。
 それゆえ、スピリチュアリティや宗教について議論する際には真っ先に当たらなければならない存在である。しかしながら本山は、海外では「スピリチュアリティといえばこの人」と言われ、その著書がユネスコより哲学部門優良図書に挙げられるほどに著名な「スピリチュアリティの巨人」であるにもかかわらず、国内では一部を除き、その業績や人となりが人口に膾炙されることはほとんどない。本書はこの意味で、本山の仕事の研究史的・実践的な意義について議論する世界初の画期的な書であると言えよう。
 第1部では、公共性、および他界性と社会性という不可視の共同性の2つの位相をめぐる人文社会科学の議論において、本山の研究がどのように位置づけられ、どのような学問的貢献を果たす(果たしている)のかについて、論じられる。
 第2部では、「本山学」がヨーガを中心とした瞑想実践をその研究の核に据えている点に大いに着目し、
  ?@比較瞑想論の方法論的意義と学問的広がりに関する宗教学的研究
  ?A唯識瑜伽行派と密教ヨーガに関する仏教学的論考
  ?B止観をそのモデルとする瞑想の一般的構造に関する仏教心理学的考察
という3つの観点から、問題提起を行う。
 第3部では、本山と親交のある同世代の経営者、稲盛和夫と、生命科学者、村上和雄の2人の「かずお」氏が、それぞれの実践や研究の領域で、魂や神仏についてインタビュー形式で語り、本山へのオマージュを表現する。
 第4部では、本書の題名とした「人間に魂はあるか」というラディカルな問いに関して、電気生理学的な実証研究を行ってきた本山博本人の公演と、その質疑応答が、まず所収されている。次いで、本山の宗教的後継者である本山一博が、「本山博神学」全体に通底する「相互内在」という核心部について、総合的に論じる。
 第5部では、第1・2部の執筆者である樫尾直樹、影山教俊、小林正弥の3名が、「地球時代のスピリチュアリティと宗教」というテーマで鼎談を行い、本山の仕事を批判的に検討し、その将来への発展と継承を展望することを通して、これからの新しい学問/科学のビジョン、地球時代に希求されるスピリチュアリティと宗教のあり方とその方向性について、徹底討論する。
 今日の唯物論的な知やライフスタイルは限界にきている。本書は、二十一世紀型の新しい学問/科学のフロンティアを切り開く、知のブレイクスルーとなるであろう。

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【著者紹介】
1963年生まれ。慶應義塾大学文学部准教授。東京大学大学院人文科学研究科宗教学・宗教史学専攻博士課程修了。

目次

第1部 不可視の共同性の諸相―人文社会科学への示唆(「形而上学の夢」と「視霊者の夢」―魂問題と社会的ビジョン;宗教(研究)の他界的側面と社会的側面―本山博の位置付け)
第2部 瞑想研究のプラットホーム―普遍宗教を求めて(比較瞑想論と宗教間対話―宗教研究の実践論的転回へ;瑜伽行唯識派と密教ヨーガ;瞑想体験とは何か―分析から受容へのプロセス)
第3部 インタビュー「神」が立ち現れるとき―二つのオマージュ(私が神仏を感じたとき―魂の経営哲学;魂と遺伝子―サムシング・グレートの生命科学)
第4部 本山学の核心―科学・哲学・宗教の統合の試み(魂の存在の電気生理学的証明;相互内在―本山博神学に通底するもの)
第5部 二十一世紀の新しい科学/学問のビジョン―魂の実在性を仮説的に前提とする(鼎談 地球時代のスピリチュアリティと宗教―本山博氏の仕事をめぐって)

著者等紹介

樫尾直樹[カシオナオキ]
1963年生まれ。慶應義塾大学文学部准教授。東京大学大学院人文科学研究科宗教学・宗教史学専攻博士課程修了

本山一博[モトヤマカズヒロ]
1962年生まれ。玉光神社権宮司。東京工業大学理工学研究科後期博士課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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なーちゃま

3
社会調査で買わされた本だったがなかなか興味深かった。日本で真面目に「宗教的なるもの」について研究している人達の成果が書かれている。でも、これについての感想は、第一章「形而上学の夢』で書かれているカントの言葉そのものかも。「個別の宗教体験には懐疑的であるが(宗教)全体で見れば若干の信を寄せる」(意訳)→日本人の宗教への捉え方ってこれに尽きると思う。『芸術の哲学』との関連で、美学も哲学も、最後は「神との一体化」とか「忘我」とかを目指している。樫尾さんが「宗教体験をしない宗教研究者」批判をしていて少し納得した。2020/01/18

0
稲盛さんがジャルの社員の心を変えた方法には感動した。稲盛さんは相当な人格者である。2015/07/12

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