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リタ・ヘイワースの背信 (新装版第2版)

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  • サイズ B6判/ページ数 289p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336055491
  • NDC分類 963
  • Cコード C0097

出版社内容情報

恩田陸推薦! ラテンアメリカの巨星によるデビュー作にして必読の書!

恩田陸推薦!「天才作家プイグの誕生を追体験せよ! 映画よりも映画的であるがゆえに小説でしか語れなかったプイグの物語。三人称で語れぬことを自覚していた史上最強の一人称作家。誰よりも映像的な「語り」を体感すべし。」

30年代から40年代のアルゼンチンの田舎町、バジェホス。ありあまる倦怠と空虚と貧苦を、もっぱら映画の神話で満たそうとする人々の非情な生。そして映画に憑かれたひとりの少年の孤独。
バルガス=リョサらと並ぶラテンアメリカ文学の巨星が、口語・俗語・卑語を徹底的に駆使しつつ、
会話・内的独白・日記・作文・投書・ノート・手紙等のコラージュともいうべき特異な構成によって描き上げた力作。
この一作でプイグは一躍ラテンアメリカ文学界の寵児となったのである。

【著者紹介】
1932年~1990年。アルゼンチン、ブエノスアイレス州に生まれる。イタリアへ留学、映画監督・脚本家を目指してヴィットリオ・デ・シーカ、ルネ・クレマンの元で助監督を務めたが挫折し、小説家に。処女長篇『リタ・ヘイワースの背信』が一躍脚光を浴び、帰国後発表した『赤い唇』(1969)『ブエノスアイレス事件』(1973)がベストセラーとなる。1973年、ペロン復権により亡命を余儀なくされ、アメリカ、メキシコ等を転々としつつ、『蜘蛛女のキス』(1976)、『天使の恥部』(1979)、『このページを読む者に永遠の呪いあれ』(1980年)、『南国に日は落ちて』(1988年)など傑作を次々と発表。1990年に来日後、メキシコでエイズにより死去。

内容説明

1930年代から40年代にかけてのアルゼンチンの田舎町バジェホス。ありあまる倦怠と空虚と貧苦を、もっぱら映画の神話で満たそうとする人々の非情な生。そして映画に憑かれたひとりの少年の孤独。バルガス=リョサらと並ぶラテンアメリカ文学の巨匠が、口語・俗語・卑語を徹底的に駆使しつつ、会話・内的独白・日記・作文・投書・ノート・手紙等のコラージュともいうべき特異な構成によって描き上げた、異色の処女作にして必読の書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

erierif

8
プイグのデビュー作にふさわしく、とても密度が濃い小説でため息が出た。地方の人々のたわいのない細々としたお喋り、思い詰めた気持ち、日常の不満、エゴイズム、欲望、夢がリズムよく語られる。特に女性のパートの部分の的確さリアルさに感心した。無邪気なトートをプイグの分身として読んでいた。しかし誰もが心のうちに背信にあい傷つき悲しみ悩みながら前へ進もうともがいていた。その姿に映画の夢破れたプイグの欠片が散りばめられていて魅了された。2014/08/25

masawo

6
それぞれの章が丸々登場人物の独白(改行なし)で占められており、とにかく読みにくい上に人物相関も分かりづらい。終盤で漸く小説らしい箇所が現れたものの結局謎に包まれたまま終了。プイグのデビュー作を読んでみたいというマニア以外にはオススメできない一冊。2018/12/11

まろすけ

5
特異な語り口、はなしことばを中心とした表現の多様さがプイグの特徴、と訳者解説にある。その通りと思う、が、その語りに生への乾いた哀しみや感傷が詩的に塗り込まれていることこそがプイグの一番の魅力と感じます。要するに、僕の好みどストライクな語り文体。内的独白の章がめっちゃ読み疲れますが、その苦行?に見合う濃厚な読み心地は保証されているのでじっくり堪能して読む、そうしたら読了まで休日4日間も費やした(笑)。『いつかはきみをぼくから奪っていく世の中がぼくはこわい』。読んで良かった。かなり好き。名作。訳も素敵でした。2018/06/12

rinakko

4
読み終えた今、あらためてこのタイトルの持つ意味合いが、じわり…沁み入るようにわかる。身も蓋もなく、容赦なく迫る。こよなく映画を愛した少年の綺羅の夢が、その可憐な姿が、徐々に色褪せ煤けていくのをみているのが、何よりも遣る瀬なかった。もう少し何とかならないの…と、詮無く。トートの母親であるミタの実家での一幕から、物語は始まる。いきなり会話だけで話が進んでいく序盤がとても面白くて、ここで掴まれたなぁ…と思う。人物各々の意識の流れが克明な章と、日記や手紙が使われる章と。中でもトートの作文には、溜め息しか出やしない2012/09/20

渡邊利道

3
作者自身を思わせる男の子の誕生から15歳までを、関係者の会話、独白、手紙、作文といったさまざまなスタイルの口語表現をコラージュして、背景となる時代とともに浮かび上がらせる長編。浮かび上がるのは欠落のモチーフであるとも言えて、そのセンチメンタルなペシミズムがじわっと心に沁みる。2021/08/10

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