普遍の鍵 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 372,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336055330
  • NDC分類 116
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ユダヤ神秘主義などが混沌たる〈知〉の坩堝を作っていた13世紀スペインで生まれた謎の「結合術」を解明する思想史研究の名著。

ユダヤ神秘主義、スーフィズム、新プラトン主義などが混沌たる〈知〉の坩堝を作っていた13世紀スペインで、
天啓博士ライムンドゥス・ルルスの「結合術」〈アルス・コンビナトリア〉は誕生した……
9個のアルファベットの組み合わせで宇宙という巨大な〈書物〉を解読せんとしたルルスの思想は、
ギリシャ・ローマ以来の「記憶術」、さらにヘルメス・カバラの魔術的伝統と混交しながらルネサンス、
宗教改革以降のヨーロッパ思想に甚深な影響を与え続けてきた。
本書は今日まったく顧みられることのないこの「結合術」の系譜を資料に即して解明、
ブルーノ、ベーコン、デカルト、コメニウス、ライプニッツ等を通し百科全書思想、世界劇場構想、
薔薇十字運動、普遍言語構想などを生み出してゆく経緯を解明する、驚異と知的興奮に満ちた思想・科学史研究の名著である。

【著者紹介】
1923年~2012年。フィレンツェ大学教授(哲学史)

内容説明

ユダヤ神秘主義などが混沌たる「知」の坩堝を作っていた13世紀スペインに生まれた謎の「結合術」(アルス・コンビトナリア)が、百科全書思想、世界劇場構想、薔薇十字運動、普遍言語構想などを生み出してゆく―知的興奮に満ちた思想・科学史研究の古典的名著。

目次

1 十四、十五世紀にみるイメージと場所記憶
2 十六世紀百科全書思想と結合術
3 世界劇場
4 ジョルダーノ・ブルーノの表象論理学
5 人工記憶と新しい論理学―ド・ラ・ラメー、ベーコン、デカルト
6 百科全書思想と汎智論
7 普遍言語の形成
8 ライプニッツ記号法の淵源

著者等紹介

清瀬卓[キヨセタカシ]
1949年、兵庫県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。現在、京都外国語大学教授。専攻はイタリア語学、イタリア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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syaori

56
『普遍の鍵』とは普遍的な真理を把握するための方法、また普遍学を指す言葉。それは、古代ギリシアに考案された記憶術が実在界の諸関係の解明を志向するルルス思想と出合い変容したもので、ベーコンやデカルトが「新しい論理学が胚胎する領域のひとつ」と見ていたもの。その変遷を追うことでライプニッツの記号論まで繋がるコード化の歴史を概観する本。同様に記憶術を扱うイエイツの『記憶術』は”ルネサンスの方法と目的”が主眼でしたが、本書は記憶術が近代に続く思想・方法に組み込まれてゆく様子を捉えていて、違った角度から楽しめました。2020/12/23

roughfractus02

8
文字が羊皮紙に書かれた中世では知識は暗記すべきものであり、場所や図像によって記憶の入出力を行う記憶術は、少ないデータで膨大な情報を引き出す方法として当時の知識階級に普及したという。中世後期9個のアルファベットから成る機械を作り、宇宙の真理へと到達を試みたライムンドゥス・ルルスの組み合わせ術(アルス・コンビナトリア)は、ルネサンスの印刷革命後も記憶術の系譜を継ぎ、言葉と物を劇場的捉え方から世界と見なす論理言語や記号のみで推論するライプニッツの記号術を用意する。現在この「普遍の鍵」はコンピュータが握っている。2019/09/17

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