出版社内容情報
ホームズに憧れ、探偵養成通信教育講座を受けて立派な迷探偵になった、ファイロ・ガッブ君のまぬけで愛すべき活躍を描いた短篇集。
ホームズにあこがれ、〈日の出探偵事務所〉の探偵養成通信教育講座を受けて、立派な迷探偵になった、本業・壁紙張り職人ファイロ・ガッブ君のちょっとまぬけで愛すべき活躍を描いた短篇集、待望の初邦訳!
【著者紹介】
1869~1937。アメリカのユーモア作家。日本では今までに短篇が2篇しか翻訳されていない。
内容説明
変装しても気づかれる、尾行をすればなぐられる。それでも僕は、ホームズみたいな名探偵なんだ。ホームズにあこがれ、「日の出探偵事務所」の探偵養成通信教育講座を受けて、立派な迷探偵になった、本業・壁紙張り職人ファイロ・ガッブ君の、ちょっとまぬけで愛すべき活躍を描いた短篇集、待望の初邦訳。
著者等紹介
バトラー,エリス・パーカー[バトラー,エリスパーカー][Butler,Ellis Parker]
1869~1937。アメリカのユーモア作家。銀行家として活躍するかたわら旺盛な執筆活動をこなし、200以上の雑誌に寄稿した
平山雄一[ヒラヤマユウイチ]
1963年、東京都生まれ。東京医科歯科大学大学院歯学研究科卒、歯学博士。日本推理作家協会、「新青年」研究会、日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカー・ストリート・イレギュラース、ロンドン・シャーロック・ホームズ協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Betty
15
作品は1913~1916年に書かれた短編。著者は20世紀前半に活躍した作家で1700作以上の短編を送り出した人物。ユーモア作家との紹介がされていました。まったくの前調べをしないで読んだら児童書なのか?と感じてしまいました^^;とても軽くテンポも良く古さもあまり感じない。通信教育で探偵になったガップ君が主人公。職業は「壁紙職人と探偵」。ガップ君の人柄と「ぶっ壊し屋事件」を捜査(巻き込まれ?)したり「ホントガッカーリ金鉱」の株券で騙されたりとクスクス笑ってしまうネーミング多数。これ文庫だったらいいのに!2012/06/09
スイ
8
タイトル通り、通信教育で探偵になった男が主役の連作短編集。 彼がふわふわとつかみどころがなく、底の抜けたお人好しで、それに狂わされて犯人達が勝手に自滅していく感じ。 最初は戸惑ったが、探偵小説というものをからかったり皮肉ったりした、メタ的な楽しみ方の出来る作品なのだと思う。 犬と遺書の話が一番好き。 私があの子だったら怒るけど!2018/04/03
ハルト
7
「通信教育探偵」というところからして、なんともおとぼけ感満載。ドジっ子(おじさんだけれど)なのに、なぜだかいつも事件を見事解決。名探偵ならぬ迷探偵ぶりが楽しい。くすりと笑える、愛すべきユーモラスな探偵ものでした。甥っ子が登場のホームズ・パロディのほうも、やっぱり脱力感ありありで楽しかったです。騙されまくりなぶん、ここぞのときに幸運が降ってくるのかな?2012/07/17
ヨッシー
7
ゆるゆるユーモア系クラシックミステリ。この手の作品が好きな人は楽しめるけど、興味のない人は読むのが苦痛、みたいな。壁紙張り兼通信教育探偵ファイロ・ガッブ君が、なし崩し的に事件を解決(?)し、なし崩し的に金を稼ぎます。連作的要素が結構強い点が面白いですね。この頃の作品としては珍しい気がします。「二セント切手」から「ワッフルズとマスタード」あたりの、金をボロボロ稼ぐ(そして騙し取られる笑)話が特に良いです。ベストはとりあえず「二セント切手」で。これ、文庫ならもっと読みやすくで調度良かったんだけどなぁ……。2012/06/24
けいと
5
「通信教育」で探偵になろうとしている壁紙職人。 仕事が舞い込んできて騙されながらも最後には事件を解決してしまうという。一息入れたい時にピッタリのユーモアミステリ。2012/07/24