出版社内容情報
西洋文明の閉鎖性、非普遍性について著者はドイツやパリで語った。世界で響いた興味深いその反響の記録。
西洋文明は普遍的か。世界に中心軸が存在するのか。西洋人自身も今は半ば疑いつつも、地球の他地域に無知で、傲慢である。日本人は当然そこを疑い、自分本位で行くべきなのに、怠惰と無力ゆえに西洋的尺度に合わせ、主張しない。著者はドイツ八都市の講演やパリの国際会議で西洋世界の根源的閉鎖性について声を挙げた。世界に響いた興味深いその反響と余波の記録。他に併載の「戦略的『鎖国』論」「講演 知恵の凋落」が注目される。
【著者紹介】
評論家。電気通信大学名誉教授。1935年東京生まれ。東京大学文学部独文科卒業。同大学院文学修士。文学博士。ドイツ文学者。ニーチェ、ショーペンハウアーの研究、翻訳をはじめ、文学、教育、社会、政治、国際問題等幅広く評論活動を行っている。最近では反原発を明確に打ち出し、人類の生命維持から訴えかける論点が注目されている。
内容説明
西洋文化は普遍的か。否!西洋文明の閉鎖性、地方性、周辺性について著者はドイツやパリで声を上げた。世界に響いた興味深いその反響の記録。他に併載の「戦略的『鎖国』論」「講演 知恵の凋落」が注目される。
目次
序に代えて 読書する怠け者
1 世界の中心軸は存在しない
2 西ドイツ八都市周遊講演(日本外務省主催)
3 パリ国際円卓会議(読売新聞社主催)
4 シュミット前西ドイツ首相批判
5 異文化を体験するとは何か
6 ドイツを観察し、ドイツから観察される
7 戦略的「鎖国」論
8 講演 知恵の凋落
9 文化とは何か
10 日本を許せなくなり始めた米国の圧力
追補 入江隆則・西尾幹二対談―国際化とは西欧化ではない