未来の文学<br> 海の鎖

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未来の文学
海の鎖

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  • サイズ B6判/ページ数 336p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336053251
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

最後の危険なアンソロジー、ついに登場!“異邦の宇宙船が舞い降りた…何かが起こる…誰も逃げられない…少年トミーだけは気づいていた”破滅SFの傑作として名高い表題作のほか、日本を代表するSF翻訳家:伊藤典夫が独自の審美眼で精選した全8篇。これにて“未来の文学”シリーズ完結。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

88
地球最後の日や宇宙人の侵略などありふれたテーマを扱いながら、ストレートSF的な政治家や軍人ではなく子供や科学者らの視点から描く作品を集めている。英雄も勝利も大発見もなく、失敗と異常と無視の果てにアンハッピーエンドを迎える物語ばかりでカタルシスは皆無だが、人間ならこんな間違いを犯して当然と思えてしまう作品ばかりなのだ。いわばSFの形式をとった私小説的色彩が濃厚であり、「神々の贈り物」や「海の鎖」などはその典型といえる。そのあたりが伊藤さんの趣味かもしれないが、ひねくれ感も強い。読者を選ぶアンソロジーだろう。2021/08/11

藤月はな(灯れ松明の火)

78
この短編集は元気がある時に読むことをお勧めします。なぜなら大半が「脱・人間ファースト」で人類・世界の破滅を描いているからだ。表題作は宇宙人とのファーストコンタクトの話だ。しかし、読者が予想しているような少年との宇宙人との心温まる交流はなく、矮小で排他的な人間によって疎外され、人格を破壊させられる少年の姿と冷厳な現実のみが突き付けられる。最も人間嫌いの読者は、人間によって成長の可能性を抑えられてきた人工知能が宇宙人の交信を経て自らの進化の可能性を考えられたという事実に喝采を挙げるだろう。2021/09/09

くさてる

29
70~80年代のSFアンソロジー。古臭い印象かなあと思っていたけれど、どれも読み応えあって面白かった。「神々の贈り物」のSFらしい展開の中に潜む人間心理の不変さ、ちょっとびっくりしたけど、まあ小松左京さんと矢野徹さんがシメてくれたんならいいかなと思った「リトル・ボーイ再び」などのあとで「キング・コング堕ちてのち」が、しみじみと良く、美しかった。でもやはりいちばんは「海の鎖」だ。孤独な子供の目に映る、宇宙人との邂逅と絶望の物語。なんと美しく、せつないんだろう。ため息がでました。2021/09/08

maja

19
未来の文学シリーズSF短編集。フィリップ・ホセ・ファーマー「キング・コング墜ちてのち」、フレデリック・ポール「フェルミと冬」、ガードナー・R・ドゾア「海の鎖」が良かった。強い印象を残す表題作はジーン・ウルフの「デス博士の島その他の物語」の少年の孤独な姿が重なって浮かんだ。異星人侵略で終焉に向かう世界が孤立した少年の目を通して違和感から絶望へと描かれる。少年のささやかな触れあいでもあったことが切ない。 2021/09/17

おーすが

16
ドゾワの表題作とフレデリック・ポールの「フェルミの冬」が良かった。どちらも少年を軸に世界の終わりが描かれる。モレッシィの「最後のジェリー・フェイギン・ショウ」も捻りがこ気味良く好き。ほぼ無名なのが残念。他の作品も読んでみたかった。オールディスの問題作「リトルボーイ再び」はさて…。2022/03/28

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