内容説明
渋沢栄一の言葉から、個々人の公益の追求と私益の追求とは何かを問う。大著「青淵百話」より、公利公益の哲学を中心に再構成。
目次
第1部 公利公益のために(国家;社会;公生涯と私生涯;商業の真の意義 ほか)
第2部 人の生きざまについて(実業界から見た孔子;龍門社の訓言;米びつ演説;悲観と楽観 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyatatsu
5
渋沢栄一の偉大さは理解していたつもりであったが、今回本書を読んでみて、もっと渋沢栄一のことを知りたいと純粋に思いました。2018/07/18
非実在の構想
2
論語を経営に活かそうとする儒商としての考え方に惹かれる。ただ、長時間労働が制限されると賃金が減少し労働者のためにならないことを恐れるというような工場法に反対する言辞に、現代の資本家に通じる嫌らしさを感じた。あと、本筋には関係ないけど、松平定信が聖天信仰を持っていたのは意外だった。2025/02/14
黒猫
1
渋沢栄一著。当時において既に現在に通ずる資本主義的価値観を持っていた事にまず驚いた。特に鉄道国有化問題において、「事業とは切磋琢磨し、競争することでのみ進歩するものである」との理論を展開、国有化は事業を腐敗させると断固反対している。また、現在のCSR的企業の社会的責任問題も意識しており、その考えは現在においてもなお輝きをはなっている。2012/04/21