内容説明
古代ギリシア人にとって「過去」とはなにか―。豊富な考古学資料と膨大な古典文献を横断し碩学があきらかにする、古代ギリシア人が「創造」した神話的過去の姿。
目次
第1章 ギリシアでの「過去」の役割―私たちの素材
第2章 化石となった骨―それらは骨
第3章 英雄にふさわしい家
第4章 「実在のもの」と「自然のもの」
第5章 過去を具現化する―ここに怪物あれ
第6章 過去を具現化する―英雄と英雄的なもの
第7章 結論
著者等紹介
ボードマン,ジョン[ボードマン,ジョン][Boardman,John]
1927年生まれ。古代ギリシアの美術・考古学の権威。オックスフォード大学で長年教鞭をとる。1989年にナイトの称号を授与される。現在は同大学名誉教授
西山伸一[ニシヤマシンイチ]
1968年香川県生まれ。サイバー大学世界遺産学部准教授。早稲田大学第一文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程中退。ロンドン大学UCL考古学研究所留学。東京文化財研究所文化遺産国際協力センター特別研究員を経て現職。これまでシリア、トルコ、イラン、エジプト、アフガニスタン、タジキスタンで考古学調査を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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樒
5
訳本待っていました!タイトルから良く出来た本と思います。一瞬「考古学のノスタルジー」を感じさせながら、実は正真正銘『ノスタルジアの考古学』。狙ったものでしょう。古代ギリシア人が自らの在る位置から環境を如何に読み解き、歴史としていったかについて語るのですが、現代、これを最も感覚的に、共感的に理解できるのは日本人かもしれません。古代ギリシアと日本の親和性は語られるところですが、やはり感覚が似ている気がします。そういう意味でも、この本が日本語訳で出版されたことに感謝したいです。買うのは辛い値段ですが絶版より良い2011/02/13
メルセ・ひすい
2
15-01 写真 イラスト読みやすさ抜群 ビバ地中海!2011/04/17
メルセ・ひすい
2
14-80赤73オックスフォード名誉教授。貴重本。★併読書『地中海世界』ブローデル ノスタルジア=希臘合成語 「ノストス」(故郷に帰る)+「アルゴス」(痛み)とか…基督教は一神教だが、その経典の聖書は希臘の多神教のφιλοσοφίαフィロソフィアが聖書を研究構築していった専門家の牧師のベース。キリストは新興宗教。 古代ギリシア人が身の回りにあった遺蹟や化石から、どのようにして自分たちの過去を「発見」し「創造」したか。古代ギリシア文化の碩学が、考古学、文献学、歴史学を横断し解き明かす知的興奮の書2011/04/05
天動火茶遠
0
教養本。古代ギリシア人の過去に対する考察としては、面白い本でした。時間の関係で本文を全部読んでからテスティモニアを一気読みするという、自分としてはちょっとイレギュラーな読み方をしたのですが、この巻末のテスティモニアだけ読んでも面白かったのでちょっと後悔しました。時間が許すなら都度参照しながら読むのをおすすめします。時間がある時に再読しようかな。2011/12/08
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