ブルターニュ幻想民話集

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  • サイズ B6判/ページ数 349p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336051028
  • NDC分類 388.35
  • Cコード C0097

内容説明

ブルターニュ地方で語り継がれたひたひたと恐ろしい全97話。フランス版『遠野物語』。

目次

予兆
死の前
アンクー
死の真似事
呪い殺し
魂の出発
死後
埋葬
魂の出発
溺死者
呑み込まれた町
殺人者と首吊り人
アナオン
魂の祝祭
魂の巡礼
アナオンに涙を流しすぎてはいけない
幽霊
悪意ある死者
悪魔祓いとその仲間
地獄
天国

著者等紹介

ル・ブラーズ,アナトール[ルブラーズ,アナトール][Le Braz,Anatole]
1859‐1926。ブルターニュ、サン・セルヴェに生まれる。1886年、カンペールのリセで文学教授の資格を取得。その後、ブルターニュに伝わる民謡や伝説を漁師や農民などから採集し、数多の本としてまとめ上げた。1898年にブルターニュ地方同盟の議長に。1901年から1924年まで、文学教授としてレンヌで教鞭をとり、スイスやアメリカでも教壇に立った

見目誠[ケンモクマコト]
翻訳家・俳人・詩歌研究家。1952年埼玉県に生まれる。学習院大学文学部卒業。同大学院博士課程(仏文専攻)単位取得修了。主たる著作として『呪われた詩人 尾崎放哉』(春秋社、1996年度俳人協会評論新人賞)等、訳書として『薔薇物語』(未知谷、1995年。1995年度日本翻訳出版文化賞)等、仏‐日、日‐仏語訳にわたる訳業も多い。日本フランス語フランス文学会、日本翻訳家協会、俳人協会、国際俳句交流協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雪之助

16
幻想民話集というだけあり、怖さより不思議さの方が優った話が中心になっている。何処そこの誰某がこんな不思議な体験をしたという形式で語られ、船乗りにまつわる話が多い。ミサを行なってくれと頼まれるのは、日本でいうと念仏を唱えたり供養してくれということなのだろうか。相手の願いを聞いたからといって必ずしも助かる訳でもなく、多分そういったモノと行きあったらアウトなんだろうと感じた。2018/08/30

寧々子

16
名前を知っている程度だったブルターニュが、遠野のような場所だと知って俄然興味がわいた。不思議な現象が起こりえる土地柄と、それをすんなり受け入れる浮世離れした人々。そんな場所が、ファンタジー小説の中だけでなく、ちゃんと地図上に存在しているのだ。現実にも夢見る余地はたっぷり残されている。そのことがうれしい。本書はまた民話集の形を取っているのが好ましかった。生活の息吹を感じ、ブルターニュの人たちの中に混ざり込みながらも、読み手はあくまで旅人で、彼らになることはかなわない。読後には寂しさと安心感が残った。2009/07/04

AR読書記録

8
けっこう司祭さんが活躍する(よく物を知っている、解決に手を貸す)話が多くて、でもそれは神に祈る、ミサをあげるといった「正統な」(?)手段ではなく、民間信仰・呪術的なやりかたであることがほとんど。しかも呪いを解く、死を免れさすといった解決だけでなく、助けを求めてきた者の死を含め、物事が収まるべきところに収めればそれでよいような、そんな手助けでもある。ローカルなキリスト教受容のあり方の一例として受け取ってよいかな。おもしろいな。物を投げながら逃げる、といった、民話の典型例も見える。2016/06/02

駒子

7
ハッピーエンドでは終わらない、ちょっと不気味で不思議なブルターニュ地方に伝わる民話集。信仰の大切さを説く話が多い。他の昔話と違うのは、悪いことをした人が悔い改めても死んでしまうパターンが多いところ。医療が発達しておらず、あっけなく人が死ぬ世の中で、死が身近だったことが伺い知れる。日本の昔話、「三枚のお札」に似ている話があって興味深かった。2016/12/19

dumpty

5
神に祝福されれば死でさえも幸せなのだという宗教観。ただカトリックというだけじゃなく、ケルトと結びついた土や海の匂いがする話がいっぱいでした。2009/08/05

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