出版社内容情報
全作品を網羅した、旧全集の2倍の収録量の決定版全集。「ノンシヤラン道中記」「魔都」「妖術」「湖畔」ほか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
5
第26回直木賞受賞作(1951年)の「鈴木主水」目当てで図書館から借りた。出てくる形容詞やロシア・欧州風の表現などに時代を感じさせます。受賞作は時代物の短編でしたが、いま一つ意味不明でした。2013/11/14
warimachi
3
年代順というのを意識して読んでいくと、ちくま文庫の選集のド頭に「黒い手帳」を持ってきた理由がよくわかる。「湖畔」もあいかわらず凄い。何がどう凄いのかさっぱりわからんけどとにかく凄い。また、解題に十蘭がポオ「鋸山奇譚」の現実と夢幻の混ぜ方は面白いと語っていたとあり、これは私自身『ポオ小説全集』3巻中で最も気に入っていた作品だっただけにちょっとだけ嬉しい。2013/07/04
紅独歩
2
三一書房版全集以来、40年ぶりの「小説の魔術師:久生十蘭」決定版全集。月報で中野美代子氏が指摘しているとおり、編年体―つまり執筆順―に収録されているので、十蘭の作家的人生をなぞる事ができる。軽妙洒脱な弥次喜多モノ「ノンシャラン道中記」と、複雑怪奇な群像劇「金狼」「魔都」の間がわずか二、三年、その間に後々まで改稿に次ぐ改稿を重ねた名作「湖畔」が書かれているというのは驚きである。第10巻には「湖畔」の夥しい異稿も収録予定だという。これは「小説」を自らの一生の玩具と定め、遊び尽くした怪物の脳内ツアーへの招待状だ2009/01/14
Genei-John
0
久生十蘭の作品がこんなに優美だとは。沢田安史さん関与の全集なれど、実のところ久生十蘭はこれまであまり好きではなかったが、目が開かれる思い。沢田さん、ごめんなさい。2014/04/16
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