出版社内容情報
智慧と慈悲こそが仏教教育の原理とする著者が、日本の仏教教育の特色を考察、特に近世の寺子屋教育の実態について豊富な資料で論述。
目次
第1部 仏教教育の原理(インドにおける仏教と道徳;中国における仏教と道徳)
第2部 仏教教育の歴史的展開―日本の事例(日本上代・中世の仏教教育;近世日本における仏教教育;近代日本における仏教教育と道徳・修身)
第3部 仏教教育の方法―その評価と実践(道徳教育と仏教;道徳的人間と宗教的人間;仏教と道徳;仏教における道徳の問題;日本仏教の倫理;学習と仏教教育;仏教教育の方法)
感想・レビュー
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マウンテンゴリラ
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過去において、仏教が教育に果たしてきた役割が具体的に示されている。仏教が我が国における先行宗教である神道や儒教などと巧みに融合し、全人的、道徳的教育に果たしてきた役割は計り知れないものがあっただろう。しかし、現代においては、仏教そのものの精神的、思想的価値が衰退している上、政教分離という制約もあって、公共的教育に仏教を取り入れることは極めて困難な状況にあるだろう。現代社会が、それを古い価値観として振り捨てて省みる必要がないほどすばらしい社会であれば、その事について特に憂える必要もないだろう。→(2)2015/11/16