内容説明
日本屈指の古美術店「壷中居」の創業者が骨董ひと筋に歩んだ六十有余年の歳月を綴る多彩なエッセイ一五〇篇を一挙収録。
目次
歩いた道(歩いた道;この商売;業者と客人;あの品この品;北京往来 ほか)
骨董裏おもて(骨董とは;骨董の価値と値段;資産としての骨董;骨董の動き;土中と伝世 ほか)
著者等紹介
広田不孤斎[ヒロタフッコサイ]
本名・松繁。1897年(明治30)、富山県八尾町(現富山市)に生まれる。十二歳で上京し神通薫隆堂に入る。1924年(大正13)の関東大震災後、西山南天子とともに古美術店「壷中居」を創業。優れた収集家としても知られ、コレクションのほぼすべてを東京国立博物館に寄贈し、その翌年の1973年(昭和48)に逝去。勲四等瑞宝章叙勲(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yoshi
1
骨董話に凝っていてその中で名前を知った広田不孤斎氏の骨董に関するエッセイ?のような本。 骨董を通して感や骨、真贋の話、人の話など何かを透徹に見る目が如何に養われるか、といったような内容だった。 今関わってみて思うのは骨董は未だにネットとはかけ離れた世界で、人からの伝が強いのを感じており、その旨はこの本の中にも書いてあったが物も人も見る目を養う事の大切さを感じた。 静嘉堂文庫美術館の曜変天目、通称稲葉天目を三菱財閥の岩崎小弥太に売った話は文化財を取り巻く人と人の間の心が見えて興味深かった。2025/03/03
ちょーのすけ
1
高級骨董店「壷中居」には敷居が高くて入れないので、せめてもと創業者のエッセイを読んだ。大正・昭和のエピソードだが、著者の骨董品に対する、あるいは骨董界の人に対しての高潔な観察眼は、現代人も見習うべきものだと思った。2010/01/22