内容説明
古代から現代にいたる日本女性名の歴史を厖大な資料を駆使して精緻に探究し、未開拓だった研究分野を切り拓いたとされる名著を新組で復刊。
目次
概観 日本女性の名
第1部 古代(大和時代;奈良時代前期 ほか)
第2部 混成古代(鎌倉時代;南北朝時代 ほか)
第3部 中世(桃山時代;江戸時代前期 ほか)
第4部 近代(抄記)(近代前期(明治時代)
近代中期(大正・昭和前半時代) ほか)
附録
著者等紹介
角田文衞[ツノダブンエイ]
1913年、福島県に出生。京都大学文学部史学科卒業。同大学院在学中、イタリアに留学(三ヶ年)。大阪市立大学助教授、教授を経て、平安博物館教授兼館長。改組により古代学研究所教授兼所長(現在)。財団法人古代学協会理事長(現在)。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Toska
19
万巻を渉猟する、とはこういうことを言うのだろう。万葉時代から昭和に至るまで、知られる限りの女性の名前を収集・紹介。その範囲は実名にとどまらず、幼名や法名、女房名、芸名、源氏名などにも及ぶ。被差別民の特殊な戒名や隠れ切支丹の霊名にまで言及しているのは驚き。歴史的に見て、日本の女性は男性よりも実名敬避の傾向が強いらしく、身分の高い者でさえ本名不詳のケースが多い。それでも、調べればこれだけ分かるのだなあというのが素直な感想。2025/06/13
koz
4
飛鳥奈良時代からの膨大な資料を基に、公家や尼、庶民の名を分析した本書。蘇我宿禰馬子のような子型の名前の変遷や、時代の流行、珍奇な名も興味をそそる。手児奈(てこな)などの音韻が新鮮で想像力をかき立てられた2012/10/16
ひろただでござる
2
図書館本。名前(ですら)には流行り廃りがありその流れは主に宮廷(都・中央)から始まり庶民(地方・末端)へと流れる…のはそうだろうと思う。平安時代の父の偏諱に「子」字をつける1字2音節(但し必ず訓読み)の命名法が現在にまで影響を及ぼしているというのも納得。意図した以外の理解をさせないような表現が多いので文章量は多いが読み返さないとまごつくということがら逃れられているので結果楽ちん。続きの(中)、(下)は涼しくなってから…多分。2022/04/30
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- 和書
- 澁澤龍彦全集 〈22〉