スタニスワフ・レムコレクション
短篇ベスト10

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 378p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336045058
  • NDC分類 989.83
  • Cコード C0397

出版社内容情報

ポーランドで刊行されたベスト短篇集をもとに『ロボット物語』や泰平ヨンものから「マスク」他10篇を集成した新訳アンソロジー。

集団主義のイデオロギーによって個人が厳しく抑圧される様を、独裁者の支配下、人びとが水の中に住むことを強制されている星に仮託して風刺的に描いた「航星日記・第十三回の旅」、大事故にあった宇宙船の中に唯一生き残った、壊れかけのロボットに秘められた謎を追った「テルミヌス」、高性能コンピュータに人類の歴史のありとあらゆる情報を吸収させた上で詩を作らせる、抱腹絶倒の言葉遊び「探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人」など、本国ポーランドの読者人気投票で選ばれた15篇の短篇から、新訳の10篇をセレクト。レムの短篇の神髄ともいうべきえりすぐりの傑作選。

三人の電騎士
第二十一回の旅
洗濯機の悲劇
A・ドンダ教授 泰平ヨンの回想記より
ムルダス王のお伽噺
探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人
自励也エルグが青瓢箪を打ち破りし事
航星日記・第十三回の旅
仮面
テルミヌス
〈メニッペア〉としての小説――短篇作家としてのレムを称えて(沼野充義)

【著者紹介】
1921年、旧ポーランド領ルヴフに生まれる。クラクフのヤギェウォ大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表。1950年に長編『失われざる時』三部作を完成。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長編『エデン』『ソラリス』『砂漠の惑星』など多くのSF作品を発表する。70年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論を発表。2006年に亡くなるまで中欧の小都市クラクフから人類と宇宙の未来を考察し続けた。

内容説明

集団主義のイデオロギーによって個人が厳しく抑圧される様を、独裁者の支配下、人びとが水の中に住むことを強制されている星に仮託して風刺的に描いた「航星日記・第十三回の旅」、大事故にあった宇宙船の中に唯一生き残った、壊れかけのロボットに秘められた謎を追った「テルミヌス」、高性能コンピューターに人類の歴史のありとあらゆる情報を吸収させた上で詩を作らせる、抱腹絶倒の言葉遊び「探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人」など、自由な実験場ともいうべきレムの短篇の中から、ポーランドの読者人気投票で選ばれた15篇中、未訳の10篇を集めた日本版オリジナル傑作短篇集。

著者等紹介

レム,スタニスワフ[レム,スタニスワフ] [Lem,Stanislaw]
1921年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領)に生まれる。クラクフのヤギェウォ大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始め、1950年に長篇『失われざる時』三部作を完成(第一部が『変身病棟』)。多くのSF作品を発表し、その第一人者として高い評価を得る。同時に、理論的大著、メタフィクショナルな作品や文学評論などを発表。小説から離れた最晩年も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006年に死去

沼野充義[ヌマノミツヨシ]
1954年、東京生まれ。東京大学卒、ハーバード大学スラヴ語学文学科に学ぶ。ワルシャワ大学講師を経て、東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

112
この作者の小説はかなり以前に「ソラリス」を読んだことがあり、映画もみました。それで名前だけは覚えていたのですが、作品集が出ていたのですね。お気に入りさんの感想でこの短篇集(というかページにぎっしりと文字があって中編に近い感じもしますが)を楽しみました。「仮面」のような幻想文学的なものもあったり、星新一さんがショートショートにしそうな「洗濯機の悲劇」などかなり幅広い作風があると思いました。2017/12/09

燃えつきた棒

30
○星間の レムの世界で 触手出せ  世界で一つの 私という奇形 / 「三人の電騎士」:バカバカしくて愉快。 「航星日記・第二十一回の旅」:安部公房の「壁~S・カルマ氏の犯罪」や「水中都市」にも通ずるナンセンスを感じた。 ほとんどがSF初心者の僕の貧しき想像力には遠く及びもつかない作品だったが、微かに「テルミヌス」にまだ見ぬ「ソラリス」の影を見たような気がした。 2017/12/02

月世界旅行したい

28
バカ話ばかりである。(もちろん褒めている) この中だと異色なのが「仮面」。2015/05/27

おおた

27
故国ポーランドで人気のある作品から選ばれたという上位はほとんどが「あたま山」。しかもハイパーインフレあたま山で、ほら話が天文学レベルで積み重なっていき、ラストの収縮加減もあたま山そのもの。おもしろいんだけど続けて読むと傾向が似ているので飽きも出てくる。一方でラストの「仮面」では美麗で残酷なファンタジー、精緻な描写が重ねられて幻想文学の域に達する。現地ではあまり人気がないらしいですが、わたしはこういう緻密な細工が読み取れる作品の方が好き。2017/08/23

MATHILDA&LEON

27
なんとも摩訶不思議な世界観。複雑で難解な部分があったりもするが、それ以上にファンタスティック。宗教やテクノロジーなど様々な分野が融合しており、一見ハチャメチャかと思いきや、全てがスッと収まっていて違和感も無い。どれが一番良かったか選ぼうと思ったが、幾ら考えても答えが出なかった。全部良いんだもの!2015/07/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9725134
  • ご注意事項

最近チェックした商品