内容説明
アドニス、アッティス、オシリスの名の下に人々は毎年繰り返される植物の衰微と再生を人格化し、死から再び甦る神として崇拝した。呪術的儀礼によって自然の運行を促進する人類の叡智を探る。
目次
第1篇 アドニス(アドニスの神話;シリアにおけるアドニス;キプロス島のアドニス;聖なる男女;メルカルトの焚焼;サンダンの焚焼;サルダナパロスとヘラクレス;火山の信仰;アドニスの儀礼;アドニスの庭)
第2篇 アッティス(アッティスの神話と儀礼;植物の神としてのアッティス;父なる神としてのアッティス;アッティスの人間の代理者;吊るされた神;西方における東方の宗教;ヒュアキントス)
第3篇 オシリス(オシリスの神話;公式エジプト暦;エジプト農民の暦;オシリスの公式の祭儀;オシリスの性格;イシス;オシリスと太陽;オシリスと月;月の共感をめぐる教義;オシリスとしての王;オシリスの機嫌;母系制と母神)
著者等紹介
フレイザー,J.G.[フレイザー,J.G.][Frazer,James George]
1854年スコットランド、グラスゴーの裕福な家庭に生まれる。グラスゴー大学卒業後、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに進み、民俗学・神話学を修める。1879年同カレッジのフェロー、1907年にはリヴァプール大学の教授となり、イギリス最初の社会人類学の講座を担当。また、パウサニアスなどギリシア・ローマの古典の翻訳・考証研究にも力を注ぐ。1890年に本書初版、1900年に同第2版、1911年に同3版を刊行。古代ローマの金枝の伝説に端を発した研究は、呪術の原理、王の起源、タブー、農耕儀礼、スケープ・ゴート等をめぐる世界各地の習俗・伝統へと広がっていき、人類学のみならず、T・S・エリオットやコンラッドをはじめとする文学や、映画・美術・社会学など様々なジャンルに影響を与えている。1941年没
神成利男[カンナリトシオ]
1917年秋田県に生まれる。朝鮮総督府鉄道局や大蔵省財務局に勤務。1959年頃から本書の翻訳を始める。1970年退職と同時にアイヌの里二風谷に移住。1991年に死去するまでに本書の翻訳を完成させる
石塚正英[イシズカマサヒデ]
1949年新潟県生まれ。1981年立正大学大学院博士後期課程満期退学。立正大学文学部講師、東京電機大学理工学部講師を経て、東京電機大学大学院理工学研究科教授(文化史学・歴史知学専攻)。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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