内容説明
「魔力の存在など信じはしないだろうね」旧友ロロの言葉にジェフリー・ブラックバーンは目をみはった。高名な悪魔学研究家ロチェスター教授の屋敷で、まるで中世の魔術が甦ったかのような怪事件が発生しているというのだ。死を予告する不気味な人形が、次々に家族のもとに送りつけられ、すでに教授の妹が謎の転落死を遂げていた。教授の秘書を務めるロロに乞われるまま、ロチェスター屋敷に乗り込んだブラックバーンだったが、その到着の朝、邸内の礼拝堂で長男ロジャーの死体が発見される。死体の胸には、予告どおりナイフが深々と突き刺さっていた…。怪奇趣味横溢の難事件に挑む名探偵ブラックバーンがたどり着いた意外な真相とは。
著者等紹介
アフォード,マックス[アフォード,マックス][Afford,Max]
1906‐1954。オーストラリアのアデレードに生まれる。新聞記者からラジオ・ドラマの脚本家に転身し、1930年代にはオーストラリア国営放送ABCの専属脚本家として、第一人者の地位を確立。ジェフリー・ブラックバーン夫妻の活躍するミステリ・ドラマは600話を超える人気番組となった。さらに舞台劇や長篇ミステリにも手を染め、『魔法人形』(37)、『死者は盲目』(37)など、不可能興味や怪奇趣味に彩られた本格物の秀作を発表した
霜島義明[シモジマヨシアキ]
翻訳家
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
27
怪奇色に溢れた作品ということですが個人的には薄めという感じです。変な修羅場の発生やトリックがあれなのも微妙な評の原因となったと思います。事件捜査のために寝不足なのに深夜に駆り出され、証言者は何か隠している様子にブチ切れる探偵と警視に思わず、笑ってしまいます。2013/10/01
y yoshi (イツモ ホンヲ ハナシマセンデシタ)
6
2019年初めの一冊。中世の武器に関するネタがいっっぱいあって面白っかった。この人の作品をもっと読みたい。2019/01/01
やっす
4
ほぼ十年振りくらいに再読。昨年刊行された『百年祭の殺人』と同じく、清々しいまでに真っ向勝負!本格ミステリの王道を行ってます。どちらにも共通して言えるのは、密室の謎ではなくフーダニットの方にこそ見るべき所があるという事。総合的に見れば処女作の方が好みですが、手掛かりのフェアな提示と、解明の筋道がすっきりしている点では今作に軍配があがりますね。あとは最高傑作とも言われる第三作『The Dead are Blind』が翻訳刊行されるのを願うばかりです。( ´△`)2014/03/22
りつこ
4
昔懐かしい推理小説って感じ。目新しさはないけど、昔ホームズやクリスティやクイーンをわくわくしながら読んだ時の気持ちを思い出した。2011/09/01
nac
3
★★★⭐︎2022/04/02