内容説明
本巻には、昭和六十一(一九八六)年から平成四(一九九二)年にかけて刊行された三冊の短篇集を収録、併せて、単行書に未収録の小説の一部もここに収めた。
感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
10
「ひこばえ」のどこか不気味な家の描写は京極夏彦氏の「庭のある家」や皆川博子さんの「U BU ME」を連想しました。「レンタ・カーの冒険」と「魂魄記」はぞっとし、「極限の吸血鬼」と「真空の情熱」は彼らの末路を思って切なくなり、「浮かぶグラマー」には高慢ちきな女に対する恥ずかしい思いをさせた人々に拍手を、「殺人計画指令せよ!」と「魔王」、「踏みにじられた青春」は苦いものが心に残り、「ナチュラマ島奇譚」は「パノラマ島のオマージュか!」と突っ込みました。今巻は単行本未登録の作品も収録されているのでお得です^^2012/05/28