内容説明
著者自ら最上の作品と語る代表的詩文集。
目次
レオポルド・ルゴーネスに捧げる
創造者
Dreamtigers―夢の虎
ある会話についての会話
爪
覆われた鏡
Argumentum ornithologicum―鳥類学的推論
捕えられた男
まねごと
デリア・エレーナ・サン・マルコ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビタミンちゃん
1
識者の為の名著、という性質を帯びている。ポストモダン的。時代を超える力を感じる。上品さというか、品性のある一冊。扱われるモチーフが人によってはすっと入ってこず、消化不良に陥るかも知れぬが、噛めば噛むほど深みが滲み出て来るといったニュアンスの、味わい深い一冊。折に触れまた再読したい。2011/07/02
うにこ。
1
装丁がすごい好み。 白い表紙に銀の箔押しでタイトル、紺の帯、水色のワンポイント。 この愛想のなさと上品さととっつきにくさはボルヘスだよなー。 装丁家の人は分かってるなぁとおもいます。どこから見ても短編小説だよ! 詩だと思って読むと後悔するよ! という濃密さ。でも面白い。くそう。2009/05/20
更新停止中
0
十数年ぶり再読。円環、入れ子、繰り返し用いられる同じモチーフ、夢、鏡、書物。自分の好みに完璧に合致しているのか、そもそもこういう嗜好がボルヘスの影響だったのか、もう解らなくなってしまった。2010/02/15
Novo
0
やっぱり難しい。言葉の断片の背後に歴史が読み取れるから。それを結びつけるための知識とイマジネーションが必要なことが文章の端々から伝わってくるが、そこへ進めるかは読者自身の問題になる。2009/04/11
だちょう
0
ボルヘスの詩文集。現実を言葉に変えて書き留めようとした途端、現実はペン先からするりと逃げていく。ではここに書かれているものは現実とは全く異なるものなのかといえばそういうわけでもなく。流石ボルヘス、古今東西に渡る知識に感服……と言いたいところだけど、やはり西洋社会のフレームの中にいる人なんだなと思うところも。 「月」という詩の、宇宙の全てを要約しようと目論みた人間が、最後になって、自分が月のことをすっかり忘れていたことに気づく、というところが凄く好き。2023/08/01