感想・レビュー
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きさらぎ
4
副題の「垂加者の思ひ」が全てを物語っているか。山崎闇斎、若林強斎の研究者であり、「門下」―「垂加者」である著者が、闇斎・絅斎・強斎を中心に綴った論文集であり、随筆集でもある。ただ「神道」一辺倒であるかと言えばそうではなく、『論語講義』『近思録講義』『小學師説』などを彼らの論の違いを挙げて考察したり、「神儒兼学」であった闇斎とその門下たちを丸ごと掬い取ろうとする論考たちは非常に勉強になるし、妙な言い方だが「打たれる」。ラスト「若林強斎先生の『自首』文を拝讀して』で語られる平泉「師」との会話もとても興味深い。2016/06/22