内容説明
金持ちの一人娘しのぶと貧しい漁師の娘千鶴子をめぐる数奇な運命…かつて一世を風靡した少女小説の珠玉の名篇。なつかしの少女小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nonicchi
2
赤染晶子エッセイ「じゃむパンの日」に、古本屋である少女雑誌を見つけ、取り違えられた千鶴子お嬢様のその後が気になって仕方がない、と岸本佐知子さんとの往復書簡で語ってらして、感想欄に「それは吉屋信子さんの『あの道この道』です。赤染さんにお教えしたかった」とのコメントがあり、早速、読んでみることに。初出は1939年で、意地悪な人も最後は改心して善き人になったり、苦労が報われたり。如何にもあの頃の少女向けの物語でしたが、たまには心洗われる物語も良きかな、と思いました。コメントして下さった方、ありがとうございます。2023/01/14
greco
2
近代文学史などで存在は知っていたが読む機会がなかった作家。やっと読めた。少女小説。夢があってロマンチックで忍耐や愛があって貧乏人と金持ちがいて劇的な運命があって、最初から最後までそういう世界にどっぷり浸かれる。たまにはいいなあこういう作品。2016/12/02