内容説明
“百発百中のゴダール”は素晴らしい泥棒だ。その偉大な頭脳は、すべての可能性を予測し、あらゆる不可能を可能にする。水も漏らさぬ包囲網も難攻不落の金庫も、彼の行く手を阻めはしない。あるときは侵入不能の大邸宅から神秘の宝石ホワイト・ルビーを盗み出し、あるときは最新の防犯システムを破壊してウォール街一帯を大混乱に陥れ、またあるときは合衆国貨幣検質所からタンク一杯の黄金を奪取する。その華麗にして大胆な手口は、まさにひとつの芸術だ。20世紀の初め、世界の首都ニューヨークに君臨した怪盗紳士ゴダールの痛快きわまる冒険譚、全6篇を収録。
著者等紹介
アンダースン,フレデリック・アーヴィング[Anderson,Frederick Irving]
アメリカ合衆国イリノイ州生まれの作家・ジャーナリスト。ニューヨーク「ワールド」紙の花形記者として活躍した後、作家に転身。百発百中のゴダール、女賊ソフィ・ラング、パー警察副本部長など、数々のユニークなキャラクターを創造し、「サタデー・イヴニング・ポスト」をはじめとする一流誌に、70篇以上の中短篇を発表する人気作家となった。作品集に「怪盗ゴダールの冒険」(1914年)「悪名高きソフィ・ラング」(’25年)「殺人の本」(’30年)がある
駒瀬裕子[コマセユウコ]
東京都生まれ。東京女子大学短期大学部英語科卒業。共訳に「吸血鬼伝説」「世界怪異現象百科」がある
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感想・レビュー
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きりぱい
5
怪盗ゴダールの冒険ながら、ゴダール自身が見えにくかったりする。「百発百中のゴダール」ではゴダールを描く作家アーミストンが、偶然知り合った名士の話から小説のアイディアを頂く話で、その話が出版された途端・・と面白いのだけれど、次の「目隠し遊び」で普通にゴダールが登場するものだから、一話目のフィクションの仕掛けからするとちょっと面食らう。しかも活躍するのは魔術師マルヴィノで。このマルヴィノのキャラが結構好みで、スリルある展開も面白い。20世紀初頭のニューヨーク、科学でもって大胆に盗むゴダールの他4編。2012/10/08
熊猫
4
書かれたのが1910年代前半で、当時の雰囲気がたっぷりと味わえる。 ゴダールの枕詞が『完璧な』あたりでその古さを察することが出来よう。 ポップな表紙より、収録されている重厚な挿絵の方が作品のイメージに近い。 話は時代を考えたらよく出来ているかと。 それよりいくら発表順とはいえ、『怪盗ゴダール』の作者が主要キャラクタになる『百発百中のゴダール』を冒頭の1作にするのは構成的に間違いだと思うの。2014/09/12
のざきち
2
100年以上前の作品なので、怪盗ゴダールの腕前がやや古めかしいのは仕方ないとして、当時のニューヨークの雰囲気を感じる事ができ、読んで損はない作品集と思いました。2019/08/21
鬼怒川
0
なんだか一匹狼。2016/06/26
kanamori
0
☆☆★2014/09/27