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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
56
現在パートはエリザベス・バートリの子孫による罪の告白。この告白で多重構造的に明かされるのは罪によって生まれる憎悪とそれに対する怯え、異国の侵略の脅威から解放されても戦後の共産主義の粛清に晒されるしかなかったハンガリーの歴史である。そして過去パートはエリザベス・バートリが女性に抑圧的であった教会に疑問を呈し、女性の社会活動の嚆矢になりかねなかった人物であることが仄めかされている。それにしても性に関する隠語や比喩の豊富なことと言ったら!同性愛者の叔母クラーラの性具を使った初夜教育や国王ご乱心は笑ってしまう。2016/11/14
ヴィオラ
4
最近読んだ本に立て続けに出てきたんで、エルジェーベト・バートリがちょっとしたマイブームに(*゚ー゚)> まずは国書「文学の冒険」から。いきなり変化球な「バートリは陥れられただけ」とかいう人とか出てきて、基礎知識もしっかりしてないのに…とか思っちゃったけど、まぁよく考えれば色々な説があっても不思議ではないか…。歴史家とか研究者の意見って、どんな感じなんだろ?バートリの復活というこの小説のキモ的な部分は、もしかしたらハンガリー史をちゃんと掴んでないと、良く理解できない部分だったりするのかも…。勉強不足ですm(2013/02/16
宮野香卵
2
結局、エルジェーベトは本当に罪を犯したのか。不思議な読後感でした。すっきりしたような、まだ胸のどこかに靄がかかっているような。たまに時系列がよくわからなくなることもありました。夜雪はあの後、結局どうなったのでしょうか。2012/06/17
伯修佳
2
何とも不思議な気分になって本を閉じた。ゴシック聖堂の天井を見上げて、その時代の深遠さに呆然とする様な。血と、肉と、炎が混ざり合い剣と魔術に支配された中世は哲学とカトリックとプロテスタントの陰謀の時代でもあった。過去に読んできた彼女に関する資料からは残虐な狂女というイメージしかなかったが、本作ではやけに生々しく人間臭く描写されている。強く美しく、衰えゆくものをあまりにも恐れ、脆く醜い。子孫である男の犯罪告白は蛇足にも思えるが、これがある事により舞台が一層曖昧なものとなっている。2011/11/06
火曜日
0
後半は俄然ゴシックホラーめいてくる2024/09/27