内容説明
魂なきもののあやしき虚無への誘惑。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
60
人の姿形はそっくりでありながらもそのそっくりさに不気味さ、いかがわしさ、魔性美を見出す人形。その魅力は澁澤龍彦・種村季弘、御二方の随筆で語りつくされています。「女王人形」は再読しても煙に巻かれます。屍人の姿を祀るという風習に怯える主人公。しかし、不気味な存在だった人形が動いているという光景を見ます。却って浴びせられるラストの言葉に別の意味で怖気が振るう。「彫像の呪い」は流石、ハーディだ。美しい容貌しか恋慕を掻き立てられなかった令嬢の浅ましさに対し、彫像のモデルとなった男性の生前の立派さが際立つのが救いか。2022/03/17
春色
3
人形をテーマに19編。単なる無生物でしかない人形の空っぽの胴体の中に、人間はどんな幻を見るのか。そこにあるのは幻覚か己の影か、己自身かそれとも狂気か。/人形に対する奇妙な恐怖と愛情は、結局は人形が空虚だからこそ成り立つのではないのかしら。その点、『ピュグマリオン』がハッピーエンドなのが気に食わない。2010/05/22
まりこさん
2
修論用。2014/04/26
まめ
2
物語は「マルスリーヌ」「彫像の呪い」、エッセイ?は「マリオネット劇場にて」がよかった。どのお話も、あやしくも美しい。2010/10/07
ふゆきち
1
『代書人』、『女王人形』がいい雰囲気です。童話を除くと人形譚と言えば不穏なイメージを想像しますが、『人形奇聞』に出てくる人形はいじらしくてコミカルでした。実際にいたら充分怖いですが。2020/08/13
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