目次
第1章 近代都市の「驚異」
第2章 近代科学の「驚異」
第3章 ワーグナー・オペラの「驚異」
第4章 秘教的・神秘主義的「驚異」
第5章 コレクションの「驚異」
第6章 エキゾチズムの「驚異」
第7章 夢幻的「驚異」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
5
世紀末文学を驚異という側面から切り取る。ただ繰り返しや、作品のあらすじ紹介が多く、作品名とそのあらすじに毛が生えたものになってしまっている(といえば言い過ぎなのか?)。もちろん、まだ読んでいない作品で重要そうな作品を発見するためや、多くの作品間の関連を学べるという利点はあるものの、この書を貫通する一本の軸がないからかかなり退屈な本になっている。研究書としては浅広すぎるし、一般書としては面白みがない。残念。もっともいくつか勉強になった点はある。2013/09/16
dilettante_k
1
97年著。19世紀末~20世紀初頭のフランス文学界を見渡し、象徴主義からデカダン派、大衆小説まで幅広い作品から「驚異」という共通項を取り上げる。都市化、科学、ワーグナー、エゾテリスム、コレクション、エキゾチスムなど7つのカテゴリーを設定し、それぞれ4~12作品を概説する。カテゴリーの恣意性や(邦訳の有無への配慮かもしれないが)論拠とするには作品数が少ない場合、また必須と思しき作品の抜け落ちなども指摘できるが、カテゴリーをまたいで言及される濃度が高い作品への興味が湧く。文献目録などブックガイドとしては最適。2015/03/16