出版社内容情報
屋根裏部屋での激しい性行為の合間に、主人公ラシッドが幼年時代を回想していく。次第に明らかになる衝撃的な事実の数々……。イスラム社会における性の解放をモチーフに綴られる暴力的なエクリチュール。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
10
アルジェリアの小説家による作品。訳者解説にありますが、「マグレブのフランス文学」というのは、確固とした一つのジャンルなのですね。「アラビア語だと性的なことは書けないんだろうな。フランス語で書く人は、フランス文学かぶれで性的なことを書きたがるのかな」などと勝手に思っていましたが、訳者解説を読んで認識を改めました。2016/01/07
ナカユ〜、
1
文学の冒険シリーズなので一筋縄ではいかないだろう事は予想してたけどここまで手強いとは!。ちょっとへとへとになってしまったw。2013/04/19
宵子
1
アルジェリアの独立前後の混沌と革命的な暴力と、父権的暴力を平然と振るう父と、それに振り回される主人公と母(と兄)と彼ら家族を主体に描いたもの。エロい&グロい描写が多いが、上記の暴力とエロスが狂気に駆られ虚言癖のある主人公が嵐のごとく雑然とさせながら、それらの過去を思い出し、語っている。 しかし、ここで登場する背徳的な振る舞いや近親姦は、エロスを表現しているというよりも、旧体制や強圧的な党への反抗を暗喩しているのはないか、と私は思う。特に父親(権威)に対しての。2012/09/12
里々
1
暴力的な性のイメージに彩られた少年時代の記憶が、狂気に駆られた主人公の過剰な語りの中で「アメーバ状に」広がっていく。収斂することのない物語をなおも貫いて荒れ狂う強烈なエディプス的欲望の描写が凄まじい。2010/05/25
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