内容説明
結婚式を挙げに行く途中のカップルが拾ったヒッチハイカーは、赤い眼に裂けた耳、犬のように尖った歯をしていた…。やがてコネティカット州山中の脇道で繰り広げられる恐怖の連続殺人劇。狂気の殺人鬼の魔手にかかり、次々に血祭りに上げられていく人々―悪夢のような夜に果して終りは来るのか?熱に憑かれたような文体で不可能を可能にした、探偵小説におけるコペルニクス的転回ともいうべきカルト的名作、ついに登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
60
リドル医師は綴る。浮浪者を乗せたカップルの襲撃を皮切りに次々と近隣住民が無惨に殺される事件を。そして、生き残ったカップルの女性と現在進行系でここにいる。自らと酷似している殺人鬼に怯えながらも・・・。連続殺人の渦中でその場で思い出したことをその都度書いてるため混在する時系列。もしかしたら医師の別人格が殺人鬼かという疑惑とともに混乱と悪夢に迷い込む。・・・実際、読んでるうちに何回か眠ってしまったが。熱に浮かされた文体と評されるのも納得で、反則なトリックと混じり合って怪作と呼ばれるのも無理なし。2022/06/11
ごへいもち
21
アンフェア、ミスディレクション、不必要なものすごい偶然、疲れたぁ。解説が唯一の救いw2011/12/22
かえるくん
20
十うん年前からずっと読みたいと思っていた本。これほど尋常でないミステリだとは想像だにしていなかった。例えるならば、茶瓶を載せた割り箸を口にくわえ、さらに目隠しをして極細の平均台を渡っているような危なっかしさ。そんな無茶をしておきながら、茶瓶は落とすわ、足は踏み外すわで、そりゃあかんやろと文句をつけたくなるが、それを凌駕する興奮を味わえる。でもこれはウブなミステリ読みが手を出してよい作品ではありません。涼宮ハルヒばりに「ただのミステリには興味はありません!」な人が読むものです。あと解説がすばらしい。2014/02/16
ヨッシー
16
いやはや、これは何を言ってもネタバレになってしまいそうな、ものっすごく危険な作品ですね。個人的には傑作だとしか言えません(笑)フェアとかアンフェアとか、そういうことを論じてる時点でもはや負けでしょう。異様な熱気にあふれる文体や、何だかうさんくさい語り手(医者!)など、読んでいる最中に(のみ)感じるあの異様な雰囲気を堪能できれば勝ちです。作者の短編にはいくつか秀作があるようですが、他の長編を見る限りでは、やはり勢いで出来てしまったまぐれ作品なのかなぁという気がします。うーむ……やはり天才なんでしょうか。2011/10/12
きりぱい
14
えええ!いやいやいや、はあ~、そうくるのか・・と仰天の結末。結婚間際のカップルが拾ってしまった不気味な様相のヒッチハイカー。映画スクリーム張りに起こる惨劇。偶然と、いかにもなキーワードから読者の前には明白に思える犯人。もう手が込んでいるというか、異様な雰囲気に引っ張られて読ませる色んな意味ですごい作品。「私が選ぶ国書刊行会の3冊」でも2名ほどが挙げていた、探偵小説のカルト的名作だそうで、た、探偵!?やられたわー。2012/09/25
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