感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
33
読みなれないドイツの名称+あまりにも錯綜したスリラー・サスペンスに途中から流し読み。題名の謎も単純な着地だし、犯人に都合のいい展開が重なっておいおいと思っちゃう。セイヤーズの賛辞もあきらかにそこのみを取り扱っているように1930年代ナチスドイツのユダヤ人襲撃をリアルタイムで描いたほぼ唯一のミステリとしての価値しか無い。しかしユダヤ人が虐殺され死体が普通に転がっている描写の生々しさ・おぞましさは凄味がある。この狂った政治状況でも正義を成そうとするクレシュ署長が格好いいなぁ。2016/09/15
フレッド・ナラカット
3
積読消化。ナチス政権下のドイツを舞台にしたスリラー。老人が「スズメが喋った」と言うと主人公の目の前で射殺される。期限内にドイツを発たなければ職を失うが、容疑者になったことでそれが危うくなるという時限ミステリでもあるのか?いまいちのりきれず眠い目をこすりながら読み終えたが、タイトルの真相が呆気ない。無難とも言えるがこれでは老人が耄碌しているのではと思ってしまう。典型的ではあるもののカッコいい警察署長はいる。しかしこの本には取り立てて読む価値はないかな。この叢書を読破しようとする以外で。2015/09/28
yunomi
2
ミステリとしての出来以前に、文章が下手過ぎて誰がどこで何をしているのか、読んでいてさっぱり頭に入ってこない。人物造形も弱いから、何だかよく分からない人が何だかよく分からない理由で何だかよく分からない行動をした、という話が延々と続いて、結局何だかよく分からない事になっちゃったなあ、という感想で終わる。2015/07/29
madhatter
2
魅力的な謎、意外な犯人、時代背景を巧みに生かした緻密なプロットの作品。企業小説的要素もあり、現代でも十分楽しみに耐える作品ではないだろうか。特に賞賛したいのは、時代背景の解釈で、あとがきにもあるように、異邦人の視点とは言え、当時ここまで見抜いていたのは凄い。ただ、時代理解が現在行われているそれに近いため、現代の読者にはあまり鮮明な印象を残さないかもしれない。また、犯人特定の要素の一つは、ヒントの匂わせ方が秀逸。日本人にはわかりにくい要素でもあるが、これは訳者側の工夫がもう少し欲しかった。2012/02/22
てっちゃん
1
1999年9月11日に読了