感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
31
解決編で明かされる推理小説を皮肉った仕掛けのサプライズは良いだけに、それを綺麗に仕上げられなかったのが惜しい。捜査が基本聞き込みに終始して、しかも第二の事件でも同じような事が繰り返されるから、エモーショナルではなく興味の持続が切れてしまう。名探偵らしからぬビーフ巡査部長の脱線しまくる行動と、記録者タウンゼントの鼻持ちならないのに抜けている所のアンサンブルでユーモラスに盛り上げてはいるが、それはミステリ的面白さではない。犯人当てのロジック詰めがもっときちんと展開してくれればなぁ。2016/01/26
やっす
13
邦訳のあるレオ・ブルースの刊行作品はこれで一通り読み終えた。やはりこの人は大胆不敵なアイディアと丁寧な伏線に裏打ちされたその真相の見せ方に長けた作家だったんだなぁという事を再確認した。本作では終盤に至るまで関係者への聞き込みが延々と続くので、物語的な興趣は全くと言っていいほどないですが、そこを乗り越えればラストにはなかなか凝った真相が用意されていて、退屈に思えた聞き込みの場面にこそ手がかりが周到に仕込まれていたことが分かり、個人的には充分な満足感が得られました。未訳のビーフ巡査部長もの四作も読んでみたい。2016/08/08
タカラ~ム
8
国書刊行会の『世界探偵小説全集』の第8巻。元警察官の探偵ビーフ巡査部長と探偵作家のライオネル・タウンゼントのコンビが一見無関係に思えるふたつの首吊り事件の謎を解き明かすミステリー。探偵役のビーフはガサツで鈍重、相棒のライオネルはインテリだがちょっと天然という凸凹なんだけどある意味意味同士のふたりのキャラがすべてだと思う。けど、鈍重そうに見えるビーフがラストにはふたつの事件の謎をサラッと解明してしまう。そのギャップが面白いのだと思う。2020/09/17
のざきち
4
学園でダーツが流行りだすくだりは英国風のユーモアでしょうか。事件の真相は意外なものかもしれませんが、もう少しドラマティック仕立てにしても良かったのでは…2019/06/09
cinos
3
探偵と記述者の関係が面白い。ビーフがパブで飲んだくれたり、学校でダーツをはやらせたりと脱線しすぎ。それでもラストは決めてくれます。ひねくれた真相です。2012/05/06
-
- 和書
- 実践につながる道徳教育論