文学の冒険<br> エバ・ルーナのお話

文学の冒険
エバ・ルーナのお話

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  • サイズ A6判/ページ数 322p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336035967
  • NDC分類 963
  • Cコード C0397

内容説明

大統領の座を狙う元歴戦の勇士は、市場の娘から選挙用に「完璧な演説」を買うが、そのおまけに貰った言葉にとり憑かれ、骨抜きにされてしまう「二つの言葉」。サーカス稼業の山師が貴婦人に恋をした。つれない貴婦人を振り向かせた贈り物とは…「恋人への贈り物」。自分を五十年地下室に閉じ込めた男を愛し続けた女の物語「心に触れる音楽」、ある娘の魂と旅したインディオの身の上話「ワリマイ」、成り上がりの悪党夫婦が上流階級の仲間入りをしようと悪戦苦闘する「人から尊敬される方法」ほか「ヒキガエルの口」「トマス・バルガスの黄金」「私たちは泥で作られている」など、お話の名人エバがさまざまな物語の糸を紡いで織りあげた素敵なお話の数々。現代のシェヘラザード、アジェンデ本領発揮の作品集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

seacalf

42
いや、驚いた。読んでも読んでも、どれも驚嘆すべき物語ばかりで目を見張るほど面白い。まさに「現代のシェヘラザード」の名にふさわしい。つい一気読みしてしまったが、次はどんな話が飛び出すのかと寝る前に読んだら毎晩ワクワクしただろうなあ。天才の語り部が紡ぎ出すお話に夢中になり、千夜一夜物語のシャフリヤール王の気持ちが少しわかる。どれも南米特有の雰囲気と不思議な味わいがあって面白いが、恋人への贈り物、エステル・ルセーロ、無垢のマリーア、小さなハイデルベルク、つつましい奇跡、裏切られた愛の手紙が特に好きだった。2024/01/09

tom

24
読友さんに教えてもらう。冒頭は心地よさそうな愛の営み。そのあとに「お話をしてほしい」というささやき声が続く。ここから10頁にも満たないほどの短い物語が始まる。これがなかなかのもの。ユーモアがあふれていたり、アイロニーや悲惨、恋人や親子、老人、若者の愛などなど、泥の中に漬かってしまって自分の来し方を振り返ったり、夫を捨ててアマゾンの奥地で暮らし始めたり。60日かけて少しずつ読み進め、終わってしまって残念という読後感。ネタは新聞やテレビで集めたと解説に書いてるけれど、それがこの物語につながるのかという驚きも。2024/02/24

8
南米の密度の濃い空気にふちどられた、短いさまざまな愛の物語たち。悲惨だったり、ユーモラスだったり、情熱的すぎたり、理不尽きわまりなかったりするけれど、湿度と諦念のまとわりついた、人々のしなやかな強さと輝きを感じさせる。熱く、生々しいのにファンタジック。結末はすぐに忘れてしまう夢のようだが、どの登場人物もどこかで強かに生き続けている。お話の続きは自分のなかにあればいい。とても楽しめた。2024/07/10

オムロン

8
話が転回していくさまが素晴らしい。ひとつひとつのストーリーが好みかと言われるとうーんと答えに窮してしまうが、話が次へまたその次へ移っていくさまはうっとりするくらい。まさに千夜一夜物語。話の筋や結末はおまけのようなものかもしれない。もしかしたらこの結末は本当の結末ではないかもしれない。 2024/02/16

Mark.jr

7
「エバ・ルーナ」の一応姉妹編ではありますが、単独読んでも問題ない短編集になっています。その大半は女性もしくは女と男のただならぬ関係が軸になっており、海を隔てた南米でもこの作品が情熱の国スペインの言葉が書かれたことが分かります。ある意味著者の作品の中でも、最も我々の想像するラテンアメリカのイメージに近い一冊かと。2024/08/01

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