感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
押さない
5
9/10 アメリカ文学独特のスウィング感が紙から飛び出してくる。翻訳センスも◎。ヤギから人間へ、文体がガラッと切り替わる瞬間が面白い。普通の書き手ならば文明機器に驚くシーン、女性との恋愛や人間との触れ合いのヒューマンドラマを展開するだろう。ジョージよりも奇抜な人物が次々登場し、カッレジ紛争問題といったさらに大きな要素をぶつけてくる。大いなる教え親とは卒業とは具体的に何なのか不明瞭、説明不可でありながら情報に揉まれていく。2024/03/21
ミコヤン・グレビッチ
3
まあ、とにかく長い。四六判よりもひと回り大きいサイズの単行本で、上下巻合わせて約750ページ。それも小さな文字で上下二段組だから、最近の文庫のレイアウトにしたら1500ページに迫る量かもしれない。われながら、二巻で6000円を超える本をよく買ったものだと感心するが、偉大なる国書刊行会への献金と思えば惜しくはないのである。物語全体の雰囲気は、カート・ヴォネガットにも似たスラップスティック調のB級SF映画っぽい感じで、いかにもそれらしいチープなエロも含まれる。だが、作者のジョン・バースは(以下、下巻の感想へ)2021/08/18
abaoaquagga
2
学生運動。SF。冷戦。ファンタジー。宗教。ポルノ。神話。これら全てをみっちり詰め込んだ大学から産み落とされた一大寓話。いかにもポストモダン文学らしいメタ構造が冒頭から用いられているけれど、筋書きそれ自体は「やぎ少年がコンピューターの独裁体制に立ち向かうべく冒険する」と明快。やぎ少年の出生にまつわる謎も提示され、娯楽小説のような吸引力がある。理屈とリビドーが渾然一体となった熱が渦巻くキャンパスの描写は、歪ながらも大学という場所の本質を表しているようだが、さて続きはどうだろうか。2022/10/15
するが
1
一巻のジャイルズはただのお盛んなヤギだった気がします。それとももう救世主バージョンになってたっけ。2007/09/20
ちび丸
0
★★★★★
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- 和書
- 宝物を探しながら