出版社内容情報
文学、舞踊、ユダヤ問題、都市問題、国際連盟、ソ連紀行等に言及した、セリーヌの第1パンフレット。体制への悪罵、奔放な文体、リズミカルな毒舌、俗語を駆使した新鮮な表現はまさに作者の独壇場。
内容説明
現代文学とはどんなものか。それは、災禍にあふれた崩れかけの棺桶飾り、あまりにも紋切り型で、小手先芸で、ゴテゴテと悪趣味で、あまりにも干からびて武骨なので、もはや蛆虫すらたかってこないやつ、生まれたとたん当日かぎりで命を終えた死体、嫌悪すらも生まれない錯乱、醍醐味どころか恥しらずで、えげつない、悪夢のような汁ポタポタの屍肉より、もっと忌わしい、もっと暗澹たる幻滅、つまるところ、死体よりも徹底して、はるかにもっと限りなく死に切ってしまった文学である。地上にはびこり害毒を垂れ流す、おぞましき悪の正体をあばき弾劾する、戦慄の攻撃文書。
著者等紹介
片山正樹[カタヤママサキ]
1929年、大阪府生まれ。京都大学大学院文学研究科中退。関西学院大学名誉教授。専攻はフランス文学
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