感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
11
ロマン主義にとって重要なのは存在ではなく生成。所産ではなく生みだす力。だから自然を作られたものの集積ではなく生産力と見る。宇宙全体がこの力に貫通された生命体であり、人間が世界の完成という使命を引受けてる。国家も人工物ではなく自然の産物であり、その裏に国家を生成しつづける民族精神が働いてると観る。この精神は自然をただ眺めて驚嘆しているのではない。衝動に動かされ働きかける。これが世界を作る。この力崇拝はニーチェだけでなくマルクスの実践観にも引き継がれてる。ヒトラーだけでなくスターリンもまたロマン主義を経てる。2022/01/03