感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
23
ダーレスの新刊『ジョージおじさん』を読んだら無性に「淋しい場所」を読みたくなって調達。やはりダーレスの代表作だと思うのですよ。こちらは「淋しい場所」を筆頭に18篇収録のクトゥルーでない短編集。子供や学生の頃にあったちょっと怖い場所と、そこに居るであろう、居て欲しい架空の存在をモチーフにした話をいくつか収録しているが、とにかく謎は全部語らないと気がすまないダーレス節と牧歌的な寂寞感と最後の始末で同系列の話の中でも「淋しい場所」は頭一つ抜けていると感じる。犬が可愛さが実はキーになってる「ヘクター」も好き。2017/06/06
shamrock
7
シデムシの歌が良かった。しかしこの作家は、クトゥルーもの以外はとても面白い。2018/06/25
康芳英
1
クトゥルー神話関係で有名なオーガスト・ダーレスの怪奇小説短篇集(クトゥルーネタは無いけど)。1940年代から1950年代に書かれた作品でかなり牧歌的でオチが途中で読めてしまうものが多い。表題作の「淋しい場所」はその素朴さが上手い具合に作用して良い味が出てる。2014/01/29
月音
0
“わたしはそこに何がいるのかちゃんと知っていた。あの暗い淋しい場所には何かがいるとわかっていた。” 著者のホラーは、子供が絡むとより魅力が増す。豊かな想像力と無邪気な残酷さゆえにこの世ならざるモノを生みだし、呼び寄せる少年少女たち。怪異と子供は親和性が高い。現世と幽冥のあわいに立つ彼らこそが最大の謎と恐怖なのかもしれない。幼いころに誰もが経験しただろう暗闇やひとけのない場所への恐怖を描く『淋しい場所』、遺産をめぐっての生者と死者のコミカルな攻防を子供の視点から見た『黒檀の杖』、⇒続2023/02/02