バベルの図書館
レオン・ブロウ - 薄気味わるい話

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  • サイズ A5判/ページ数 179p/高さ 23X13cm
  • 商品コード 9784336025685
  • NDC分類 953
  • Cコード C0397

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

88
バベルの図書館シリーズで初めての作家ですがお気に入りさんの感想が興味を引いたので手に取ってみました。表題は「薄気味わるい話」という短編が12編収められていますが、どちらかというと悪意ある話、ブラック・ユーモア、最後にどんでん返し的な話があり私には非常に楽しめました。文章も比較的短く乾いた感じがします。皆さんも描かれていますが「ロンジュモーの囚人たち」「あんたの欲しいことは何でも」が印象に残りました。このシリーズは本当に様々な読書体験をさせてくれます。2023/09/12

内島菫

23
「煎じ薬」で、ある女の罪の告白の部分を読んだとき、読者はすぐに彼女のターゲットが主人公であることに思い当たるであろうが、そのことに主人公は最後まで気づかない、ということが本作品の最大の謎だった。「うちの年寄り」の「おお、家族なんて、いったいなんだ。災難も災難、大災難ではないか」という言葉は、家族信仰に対するカウンターパンチだろう。取り澄ました人々にとって、己の中の見たくない醜い部分を外部化し引き延ばして見せつけてくるような存在のブルール氏もまたカウンターパンチだが、2018/07/02

藤月はな(灯れ松明の火)

20
「煎じ薬」の疑心暗鬼とその理由にぞっとしました。ラストの〆方も不条理感を醸し出しています。個人的に「うちの年寄り」は子供に対して害毒しか与えなかったのにどこまでも面汚しで厚かましい親は自業自得であり、子供がした親への仕打ちは今まで子供に依存するしか能がない親の方が馬鹿だと思いました。「あんたの欲しいことは何でも」は最後の最後で分かる真実が痛切すぎます。2012/12/03

たまご

16
作った感のある文章のおどろどろしさは,「ロルドの不安劇場」と同じテイストで,19世紀な感じの古さがありますが,書かれている内容は,いや,いまでもあるある,と. 作者が実際に聞いたり経験したりした話なんだということですが,なんというか,人間の嫌なところって,昔も今もかわらないですなー.こういうテイストの中に,逆説的に善い行いをする人を混ぜたりするところのシニカル感もたまりません.2018/06/22

みつ

13
『バベルの図書館』13冊目。これまでは収録された短篇の標題のひとつが本の標題とされていたと記憶しているが、今回は全体を通じてのものか。ただ、全体の印象は「薄気味わるい」というより「気が滅入る」といった方がいいかもしれない。ボルヘスの序文にある「憎しみの収集家」とは言い得て妙。ただし、同じく序文にある「黒いユーモア」は(例えばサキの作品には随所に表れるのに)読み取れなかった。表紙の示す作品、序文のブロワ自身を示しているとおぼしき「マルシュノワール」と最後の短篇の同名の登場人物の関係など、謎は深まるばかり。2021/09/27

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