感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
5
ブロッケンといえばブロッケン現象との連想で、しかも世界幻想文学大系の一冊だし、思いっきり怪奇色濃い作品かと思っていたがそうではなかった。ヘンリー・ブロッケンが伯母と暮らしていた家にあった書物を読み耽り、4月のある日、伯母の持ち馬ロシナンテに跨って出発した旅行での体験を綴る。その旅行譚は過去の名作を借りてときにはそれをなぞり、あるいは道を「踏み外すように」語られていく。詩人でありすぐれた児童文学の書き手デ・ラ・メアについての二本の評論と詳細な書誌は圧巻。2021/06/27
