感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
57
冒頭から、廃墟のような屋敷に住む危篤の伯父、臨終の際に告げられた謎の言葉、伯父が亡くなった嵐の夜に遭難した船と、幻想文学第一人者の荒俣宏が推すだけのことはあるとわくわくしながら読み進めるも、スペイン人が救いだされると、話はこのスペイン人の話へと大きくシフトチェンジしてしまい、いったい誰が主人公なんだか訳がわからない…。下巻では、あのおどろおどろしい雰囲気が戻ってくるのだろうか。2017/06/04
takeakisky
0
図書館で。大昔借り出した記憶がある。同じ本を借りる。昭和61年のスタンプ、これ私じゃないかな?なんて。凄まじい始まり。伯父の死と先祖の謎。嵐。スペイン人の告白。定番のカトリック、修道院の陰惨なエピソード。それぞれ重厚長大。それぞれ面白いが、くどい。第二巻九章からが読みどころ。全身の筋肉に力が入る。瀆神の悍ましさ。悪人への戦慄。幾つかの本を一冊にしたかのように、本筋が、そっちのけであるのは気になるが、それを上回る震え慄きを抱きつつ下巻へ。しかしそれにしても酷い校正。2024/03/10