感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
10
アヴァンギャルド演劇がロシア革命の機運に合流すると演劇は祝祭の場となり、笑いとともに過去を葬り去ろうとする残酷な風刺と喜劇がその中心に据えられる。夥しい大衆が街の広場を埋め尽くすこれら巨大な群衆劇のプランとその実践は、機械的な動きを演ずる役者たちによって笑いを引き起こし(ビオメハニカ)、祝祭の雰囲気の中に政治的な価値転倒を煽る声を混ぜ合わせる。労働する集団を讃える物語は、大衆側と権力側の対立を止揚するマルクス主義的な弁証法理論によって、作劇法や映画のモンタージュ理論にも浸透する(S・エイゼンシュテイン)。2025/04/17