内容説明
精神医学、そして社会は触法精神障害者にどのように向き合えばよいか―欧米と日本での刑事司法と精神医学の出会いと交錯の歴史を、医学の視点から多くの著名な事件に即して描き出し、2005年の心神喪失者等医療観察法施行、2009年の裁判員制度発足により新時代を迎えた司法精神医学の可能性を探る。
目次
第1章 刑事法廷と精神科医―マクノートン裁判
第2章 ブロードムア―特殊病院の盛衰
第3章 モラルインサニティ、変質、サイコパシー
第4章 精神病質―コッホとクレペリン
第5章 保安処分とは何か
第6章 精神医療改革と触法精神障害者
第7章 日本の司法精神医療―史的回顧
第8章 新時代の刑事司法と精神医学
著者等紹介
中谷陽二[ナカタニヨウジ]
1947年、東京都に生まれる。1972年、東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学神経精神科、千葉刑務所医務部、正慶会栗田病院、東京都精神医学総合研究所を経て、筑波大学教授(精神保健学)、筑波大学名誉教授。医学博士。専攻は司法精神医学、精神病理学、精神医学史。精神鑑定と臨床経験をもとに犯罪行動と精神病理の関連、精神障害者の責任能力、司法精神医学の歴史と国際比較を研究テーマとしている。平成20年度日本犯罪学会賞、平成10年度講談社出版文化賞(科学出版賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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