内容説明
本書では、日本人の社会化や、依存と「甘え」をめぐる精神分析学と人類学からの考察がおもに行なわれているが、探求はさらにそれにとどまらず詳細にして広範囲に及び、依存と「甘え」をめぐる関連研究を批判的に網羅した一種のエンサイクロペディアといえるものになっている。
目次
第1部 理論的、文化的背景(依存、愛着、相互依存―心理学と社会科学における定義;依存に関する精神分析学の定式化;「甘え」の文化的、歴史的背景―日本における依存関係 ほか)
第2部 心理文化的に見た日本人の依存と自己(土居の「甘え」理論の多層的な分析;「甘え」理論の全体的な要約;日本人の自己についての心理文化的解釈)
第3部 概念的、理論的な側面(比較文化的な知見による精神分析理論の修正;人類学と精神分析学における今日的問題―結語 ほか)