内容説明
本書は、精神病理学的問いの地平に身をおいて、精神医学わけても精神病理学を専攻する者、および現代的な意味では精神医学の隣接領域に属する学者がおのおのの立場から、分裂病、ひいては人間主体のあり方について考察した十一の論稿から構成されている。本書の特徴として宮本忠雄氏の理論を共通の準拠枠にして論じられた分裂病論および人間論であるという点、この論文集が分裂病についての単なる各論にとどまるのではなく、分裂病という最も強度の高い狂気をとりこんだ人間主体についての探求の書であるという点にある。
目次
第1章 カオス的精神分裂病観
第2章 過程と考古学―分裂症への問い
第3章 自己知の文法
第4章 精神分裂病者における規範と規則
第5章 人工的な自明性のネガシオ
第6章 中核ないし解体型における分裂病性記号過程
第7章 分裂病性実体的意識性
第8章 分裂病の疾病観と治療
第9章 内因性概念と分裂病
第10章 分裂病と宗教・女性
第11章 分裂病論の前提としての「歴史」意識について
-
- 電子書籍
- 胡桃の中の世界



