内容説明
あいだ・自己・こと・ノエシス的。医者と患者の間(あいだ)に成立する「自己」とは何か。ハイデッガー現象学と西田哲学を吸収し、独自の分裂病論と人間学的精神医学を構築した「木村現象学」の出発点。
目次
離人症の現象学
『分裂病の現象学』序論
精神分裂病症状の背後にあるもの
『自覚の精神病理―自分ということ』
精神分裂病の症状論
精神分裂病論への成因論的現象学の寄与
身体と自己―分裂病的身体経験をめぐって
妄想的他者のトポロジイ
精神医学と現象学
著者等紹介
木村敏[キムラビン]
1931年生まれ。55年京都大学医学部卒、61年より2年間ミュンヘン大学神経科・精神科に留学、69年より2年間ハイデルベルク大学精神科客員講師、74年より名古屋市立大学医学部教授、86年より京都大学医学部教授。その間81年ドイツ連邦共和国より第3回シーボルト賞、85年エグネール財団(スイス)より第1回エグネール賞を受賞。94年京都大学を停年退官後、2001年まで龍谷大学国際文化学部教授。現在、京都大学名誉教授、河合文化教育研究所主任研究員、京都博愛会病院顧問、日本精神病理学会理事長、日本社会精神医学会理事。ドイツ精神神経学会、ドイツ現存在分析学会の外人特別会員。著書に、『木村敏著作集全8巻』(弘文堂)、『Ecrits de psychopathologie ph´enom´enologique』(PUF)、『Zwischen Mensch und Mensch』(Wissenschaftl。 Buchgesellsch.)、『L’Entre』(Million)ほか。訳書に、ビンスワンガー『精神分裂病』I、II(みすず書房、共訳)、同『現象学的人間学』(同、共訳)、ヴァイツゼッカー『ゲシュタルトクライス』(同、共訳)、テレンバッハ『メランコリー』(同)、ブランケンブルク『自明性の喪失』(同、共訳)、エレンベルガー『無意識の発見』上・下(弘文堂、共訳)、フィッシャー『ベートーヴェンのピアノソナタ』(みすず書房、共訳)、ゲオルギアーデス『音楽と言語』(講談社学術文庫)ほか
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