内容説明
宗教には、人間の生きる方法を激しく制約する力と、大きくふくらませる力がある。ふたつをつなぐ新しい「宗教人類学」。
目次
1 人類学の宗教像(アニミズム;中国人の宗教―儒教に注目して;ヒンドゥー教;仏教;キリスト教;イスラーム)
2 宗教を生きる(生きる;祝う;祀る;呪う ほか)
著者等紹介
関一敏[セキカズトシ]
1949年、九州大学大学院教授。専門は宗教人類学。フィリピン・ビサヤ地方シキホール島の調査のもとに、呪術的知の社会的配分と伝承過程、キリスト教との接合と対抗、島の日常生活の構築について考えている
大塚和夫[オオツカカズオ]
1949年生、東京都立大教授。東京都立大学大学院修了。博士(社会人類学)。国立民俗学博物館助手・助教授などを経て現職。社会人類学専攻。フィールドはアラブ・ムスリム世界(とくにエジプト、北スーダン)
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感想・レビュー
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田蛙澄
1
大伝統/小伝統、災因論、反構造、シンクレティズムといったタームを批判的に扱いながら、従来の宗教学や文化人類学では扱い切れなかった宗教現象や実践の多様性を細やかに捉えていこうという視点が多くてためになった。特に民間信仰を大伝統に対する小伝統として派性や亜流と見ることなくそれ独自に実践的な意味を持つものとするあたりは面白かった。具体的な事例についてもそれぞれの執筆者のフィールドワークの成果が援用されており興味深く読むことができた。中国宗教の徳教やヒンドゥーのシャクティ信仰が特に興味深かった。2017/01/02
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