内容説明
世界への微分的接近をめざすモンタージュ技法を駆使した民族誌。体験と思考を梃子にして既成のラテンアメリカ・イメージの問い直しと人類学の見直しを図り、民族誌+落書きによる新しい記述スタイルを試みる。
目次
1 民族誌とラテンアメリカ(イメージから対話へ;民族誌学の「受難」―ゴダール「パッション」覚書;民族誌の「観客」)
2 時間と空間(時間のかたち―記録・記憶・希求;「携帯用太陽」かがやく丘に―空間の序列化と儀礼行動)
3 ラテンアメリカン・エスノグラフィティ(声・音・祭―メキシコの音のフォークロア;ツォツィル民族誌点描;拒絶された理解―南メキシコの“カサブランカ”にて;ある文化遭遇の歴史―聖人像の相互訪問;「オレはインディオだ!」考;アラカタカ紀行―ガブリエル・ガルシア=マルケスの魔術的民族誌の世界;キノのおののき―『マファルダ』試論;闘牛のドラマトゥルギー;共同体幻想と文化的アイデンティティ;実存主義的バロック劇の世界―ジョン・フォールド作『あわれ彼女は娼婦』メキシコ上演を観て)