内容説明
言葉そのものを、声・息・身体あるいは図像とのかかわりで捉え、文字以前の生きた言葉の沃野に道をひらいた魅力ある学際的共同研究の昴まりの集約。巻末には全体を発展的に締め括る座談会を収録。
目次
1 叙事詩の形成(西洋中世の口誦者をめぐって〈ヨーロッパ〉;アイヌのユーカラとその歴史的背景〈日本・シベリア〉;長編叙事詩「阿詩瑪」の形成―アシマとアヘイの関係をめぐって〈中国〉)
2 誇りの人称(物語りの巫俗―平家物語生成論〈日本〉;リャマ・アルパカ繁殖儀礼の歌―〈わたし〉と〈おまえ〉の世界〈南アメリカ〉)
3 我と他者の交感(妖怪の音声;アイデンティティ・外部性・秩序―ケニア・ルオ社会における憑依と妖術〈アフリカ〉;話すこと・食べること・黙すること―クバ文化における身体のフィギュール〈アフリカ〉)
4 座談会(息・声・身体 川田順造・坂部恵・徳丸吉彦・野村純一)