内容説明
社会は宗教現象である。―現代日本を代表する社会学者が、ポストモダンの現在における社会現象や出来事を、宗教現象として解釈する。
目次
社会は宗教現象である
第1部 宗教原理論(宗教の社会論理学;中世哲学の“反復”としての「第二の科学革命」;法人という身体)
第2部 現代宗教論(悲劇を再演する笑劇―現代日本の新興宗教をめぐって;父性を否定する父性;仮想現実の顕在性)
第3部 事件から(Mの「供犠としての殺人」―吉岡忍『M/世界の、憂鬱な先端』をもとにして;バモイドオキ神の顔;酒鬼薔薇聖斗の童謡殺人;透明な存在の聖なる名前;世界の中心で神を呼ぶ―秋葉原事件をめぐって)
著者等紹介
大澤真幸[オオサワマサチ]
1958年長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。現代日本を代表する社会学者。2007年『ナショナリズムの由来』(講談社)で毎日出版文化賞受賞。2010年3月より、個人雑誌『大澤真幸THINKING O』(左右社)を創刊し、社会に向けての積極的な発言が注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナハチガル
7
3/2ほどで挫折。久しぶりに日本語の、理屈っぽい文章を読みたくて、家人の本棚から引っ張り出したのだが、異常な事件の分析に食傷して放擲。キリスト教の特異性、なぜ信者は俗っぽい麻原を崇拝していたのか、オタクとマニアの違いとは、など面白く読めた部分も確かにあったので、後ろ髪ひかれる思いも強いのだが。「すなわち」「言い換えれば」「要するに」と言いながら全然分かりやすくならない、こういう語り口は嫌いではない。タルコット・パーソンズ「宗教が社会現象なのではない。そうではなくて、社会が宗教現象なのだ」。挫折だけどA。2016/06/12
mittsko
2
うーーーん、面白くなかったな… 例えば、書き下ろしの「序論」 古典的な宗教論を縦横につなげ、「宗教現象としての社会」「世俗化という逆説」(『プロ倫』講釈を中心に)、んでもって型どおりの単純素朴な「抑圧された神の回帰」という具合に、時間性も地理性も欠いた近代史を略述する… これはやっちゃいけない宗教論の代表のように思う また、「信仰」にかけられた根源的な「聖狂」の次元が 一向に議論の正面にすえられてこない(殺人事件への注目はその顕れにとり誤導的だ) 困ったな、精読しなおした方がいいのかな2013/03/30
lingo_coffee
2
買った当時、何となく多次元宇宙の一般的説明が有神論の展開と何処か似ているような気がしていたので、ついつい賛同を求めて目次と著者名から買ってしまったが買って後悔。そもそも著者のいう「求心化-遠心化」なんて、当てはめようと思えば森羅万象の何にだって遍在を見てとれる(重力から血心臓の動きまで本当に何だって)。それにどう考えてもレヴィナスを下敷きにしているのに名前が一切出てこないのも気になる。これが帯の通りポストモダンだとしたら、ポストモダンとは所詮、自由気侭に解釈を振り翳す積木遊びに過ぎないのかと嘯きたくなる。2011/01/16
遠藤 a.k.a. Kon
1
p.168以降、エヴァンゲリオンがちょこっと出てきて少しワクワクしたんだけど、どうでもいい駄弁で終わっていた。レヴィナスはp.242以降登場。エッセイを集めて一冊にしたみたいなんだけれど、初出一覧がないのはどういうことなんだろう。サブカルの流行、オウムのテロ、酒鬼薔薇の猟奇殺人などについて、系統的に言説を収集し整理していたなら価値のあるものとなっただろうに、本書は学部生の独力妄想レポートに近い。というか、学部生のほうがもっと面白いことを書けるはず。2012/06/12
seiiiiiiichi
0
後半は全部どうでも良いけど社会は宗教現象だよという前半部分はいいきがする2011/05/10
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- 和書
- ようちえんっていうところ




