内容説明
『宝島』『モモ』『ハリー・ポッター』など数多くの物語、「スタンド・バイ・ミー」や「スター・ウォーズ」など一連の映画から紡ぎ出されてくるのは…そうだ!「いちばん価値のあるのは、楽しいにせよ、悲しいにせよ、子ども時代」であるということ。子どもは、自分を知り、他人を知り、社会を知ることによって大人になっていく。日常化してきた少年事件、成人式で荒れる若者など、社会現象の背景をなす「大人になることの困難」を、社会と人間との関係のなかで魅力的に解き明かす。子どもも、かつて子どもであった人も、共に楽しめる物語世界へのガイドブック。
目次
自分
年齢
住所
家族
性別
死別
社会
学校
友人
恋愛
職業
国家
著者等紹介
奥井智之[オクイトモユキ]
1958年奈良県に生まれる。1981年東京大学教養学部教養学科相関社会科学分科卒業。1988年東京大学大学院社会学研究科修了。現在、亜細亜大学教授。専攻は社会学
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
riviere(りびえーる)
21
社会学の本だけれど、児童書や映画を題材に読み解いているので、肩がこらずに読めた。主として「イニシエーション(通過儀礼)」について考察している。社会化に成功した『ツバメ号とアマゾン号』と失敗した『蠅の王』の箇所が特に面白かった。ほか『ゲド戦記』『若草物語』などなど児童書が多数引用されている。少年による少年殺害の事件や荒れる成人式の様子にも触れ、河合隼雄の『大人になることのむずかしさ』を引用しながら現代のイニシエーションについて示唆している。『ニルスの不思議な旅』はやっぱり読まなくちゃと思った。2020/08/06
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