内容説明
生態系を成立させる起点としての空間資源―さまざまな資源を位置づける場としての空間へのアクセス権、なわばりや共有地(コモンズ)の問題を、象徴系における地理空間認識と関連づけて考察し、その変化のメカニズムを探る。
目次
序 資源・生業複合・コモンズ
1 人・生き物・コモンズ(水と魚から考えるコモンズ;サルはだれのものか?―三重県における猿害に対する人びとの意識と対処行動)
2 野生の資源とコモンズ(人類の生態とテリトリー―極北の民チュクチからの展望;クジラ資源はだれのものか―アラスカ北西部における先住民捕鯨をめぐるポリティカル・エコノミー;トウ(籐)の商業的利用―オランアスリ経済におけるトウの役割)
3 土地・コモンズ・共同体(コモンズのメンタリティ―京都におけるマツタケ入札制度の成立と変容;棚田における水の共同性―琵琶湖辺集落・仰木 一二〇〇年の歴史を刻むムラ;針葉樹林タ帯における資源の周期性と人びとの畏怖―シベリア牧畜民サハ人の草刈とアラース)
4 ローカル・コモンズとグローバル・コモンズの世界(アジア・モンスーン地域の池とその利用権―共有資源の利権化と商品化の意味を探る;環境主義をこえて―利尻島にみるナマコの自主管理;グローバル・コモンズという考え方)
著者等紹介
秋道智彌[アキミチトモヤ]
1946年生。総合地球環境学研究所副所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。