出版社内容情報
本書の前身となった『法律学の基礎技法』(法学書院、初版2011年、第2版2013年)は、法制実務・研究の第一人者である著者が、法律の基礎的な理論と技法について法制的・立体的・実践的に解説し、通り一遍の「法学入門」とは一線を画する名著との評も。そんな同書が10年以上の時を経て、さらに充実の2巻本としてリニューアル。その第1巻として刊行される本書は、法律学の「基礎」と「理論」にフォーカスし、こんにち法に向き合うために求められる様々な基礎知識・技術・思考方法や、問題意識を多角的に伝えます。学生や公務員はもちろん、法律のプロである弁護士や研究者にとっても新たな発見となる記述が詰まった、必携の書。
【目次】
第1 法の役割と実態に向き合う
第2 法を学ぶ意味を考え、法的な考え方を身につける
第3 法の構造・全体像をつかむ
第4 法律の「型」を知る
第5 立法のプロセスに目を向ける
第6 日本の法の現在を探る
第7 法律の「心」を学ぶ
第8 法律の「技」を理解する
第9 法律を解釈し適用する
第10 裁判の役割を注視し、判例を読み解く
第11 これからの「法」を展望する
【詳細目次】
第1 法の役割と実態に向き合う
1.法はどのような役割を果たしているか
2.人々は法をどうみているか
3.法はどのような形で存在するか
4.法はどのように形成され、実現されるのか
5.法になぜ従わなければならないのか
6.法にどう臨むか
第2 法を学ぶ意味を考え、法的な考え方を身につける
1.法をなぜ学ぶのか
2.法的な思考・センスはどう役立つか
3.問題解決のための政策的思考と法的思考
4.法をどう学ぶか
5.議論の作法を身につける
第3 法の構造・全体像をつかむ
1.成文法主義とは何か
2.法令にはどのようなものがあるのか
3.どのくらいの数の法令が存在するのか
4.条約とはどのような法か
5.自治立法としての条例
6.制定法の体系はどのような構造となっているのか
7.不文法にはどのようなものがあるか
8.自治的規範とソフトロー
第4 法律の「型」を知る
1.法律文章は本当に難しいのか
2.法律はどのような構造となっているのか
3.条文の構造はどのようになっているのか
4.法規範の意味・機能・種類
5.法律の表記や用語の決まり
6.法律の制定形式
7.立法技術
8.法制度設計
第5 立法のプロセスに目を向ける
1.法の形成過程に目を向ける意味
2.法律ができるまで
3.法律案の立案過程
4.国会審議の過程
5.命令の制定
第6 日本の法の現在を探る
1.日本の法を過去から探る
2.外国法の比較・吸収
3.肥大化する法
4.拡散・分化する法
5.多元化する法
6.日本の法治国家としての現況と課題
第7 法律の「心」を学ぶ
1.個人の尊重と自由
2.公共の利益
3.公正公平
4.法的安定性
5.合理性
6.一般性・一貫性・不遡及性・整合性
7.実効性
8.手続的適正性
【法格言から法を学ぶ】
第8 法律の「技」を理解する
1.法令の効力と適用
2.法制度の体系性・整合性
3.私的活動と法
4.法における人
5.法律関係としての権利義務
6.事実と擬制
7.法と介入
8.法と権力
9.法と責任
10.法の実効性と制裁<