出版社内容情報
主要各国の法制度と政治過程を一望
デジタル社会において個人データの重要性が飛躍的に高まる中で、その利活用や保護について各国で様々な法対応がなされています。しかし、その背景にある理念や憲法価値にまでさかのぼって体系的に整理・紹介したものは少ないのが現状であり、日本の個人データ保護のゆくえを考えるにあたっては心許ない状況です。そこで本書は、まず第I部において日本の法制度やそれをめぐる政治過程を詳述、さらに各国のプライバシー意識に関わる調査結果を用いながら日本の現状を確認。その上で第II部において、アメリカ・カナダ・ドイツ・フランスに加えEUのデータ保護に関する諸規範の理論的・体系的整理(マッピング)を通して、憲法と個別法との関係性や、各種のデータ保護法相互の関係性、各国のデータ保護法の特徴を明らかにするとともに、それら各国データ保護法制の「裏側」(理念、背景、政治過程など)をも分析。データが容易に国境を越え、グローバルな視点が求められる今日、関係者必須の羅針盤となる一冊です。
内容説明
世界はプライバシーとどう付き合っているのか。デジタル社会の進展に伴い、飛躍的に高まる個人データの重要性。見境なき収集・活用からいかにプライバシー保護を図るか―。法的対応をはじめとする主要各国の様々な試みにつき、背景にある理念や憲法価値にまで遡った理論的・体系的整理を通して、それらの特徴を明らかにするとともに、「日本人のプライバシー意識」をも炙りだす。個人データ保護の世界的潮流を見すえ、今後の展望をひらく一冊。
目次
第1部 日本の現在地:その到達点と課題(日本のプライバシー権・現行法制度の概観;利用者情報に関するルール形成プロセスの課題;日本におけるプライバシー意識の実際;“座談会”アジャイル・ガバナンスを考える)
第2部 各国のデータ保護法:法制度と政治過程(アメリカ:連邦制と政治的分断の隘路をゆく;カナダ:データ保護の隠れたパイオニア;ドイツ:議会法による法整備・比例原則;フランス:市民社会による参加と受容;EU:グローバル・スタンダードの構築へ)
著者等紹介
山本龍彦[ヤマモトタツヒコ]
慶應義塾大学大学院法務研究科教授
小川有希子[オガワユキコ]
帝京大学法学部助教
尾崎愛美[オザキアイミ]
筑波大学ビジネスサイエンス系准教授
徳島大介[トクシマダイスケ]
NECデジタルトラスト推進部ディレクター
山本健人[ヤマモトケント]
北九州市立大学法学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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